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毎年上陸する台風。自分だけは大丈夫と思い込んでしまいがちです。しかし、今まではたまたま運がよかっただけかもしれません。
台風は幸い進路が予想できるので、事前に備えれば被害を抑えることができます。
今回は、台風の進路や大きさから被害を予想する方法、台風が発生したら事前に心がけておくべきことを紹介します。
台風が発生したら進路予測のために見るべき情報
まずは台風情報の見方を覚えておきましょう。重要なポイントは「台風の強さ」「台風の大きさ」「予報円の大きさ」の3つです。ぜひこの3つを押さえておいてください。1つずつ解説していきます。
参考:
気象庁「台風情報」
気象庁「台風情報の種類と表現方法」
台風の強さ
台風の強さは風の強さによって以下のように区分されます。
- 強い台風:最大風速が33m/s以上44m/s未満
- 非常に強い台風:最大風速が44m/s以上54m/s未満
- 猛烈な台風:最大風速が54m/s以上
風速とは1秒間に風が進む距離のことで、風速30m/s以上になると走行中のトラックが横転したり、道路標識が傾いたりするほどなので屋外での行動は大変危険です。台風が「強い」以上になっている場合は、風に対する警戒がより一層必要になります。
ここで注意してほしいのは、台風の階級は風の強さで表すため「雨の強さ」とは関係ないことです。雨も1時間あたりの雨量(mm)により「やや強い雨」から「強い雨」「激しい雨」「非常に激しい雨」「猛烈な雨」まで5段階に区分されています。「強い雨」は1時間あたり20mm以上30mm未満でどしゃぶり程度、「激しい雨」だと、1時間あたり30mm以上50mm未満でバケツをひっくり返したように降ることを意味します。つまり強さの階級がない台風でも、大雨による災害が起こる可能性は十分にあります。
特に秋台風は、強さにかかわらず台風本体の雨に秋雨前線の雨が加わり、過去に経験したことがないような大雨災害になるケースも少なくありません。
台風の強さはそれほどではなくても、大雨被害がありうる点に注意してください。
参考:気象庁「台風の大きさと強さ」
参考:気象庁「風の強さと吹き方」
参考:気象庁「雨の強さと降り方」
台風の大きさ
台風は風速15m/s以上の強風域の大きさによって以下のように階級分けされます。
- 大型の台風:強風域の半径が500km以上800km未満
- 超大型の台風:強風域の半径が800km以上
強風域とは台風予報(下図参照)上の黄色の円ですが、大きな台風ほど強い風が吹く範囲が広いことを意味します。つまり大きい台風ほど、速度にもよりますが、通り過ぎるまでの影響も長期にわたりやすいことになります。
気象庁HPより
台風の大きさと雨の強さは関係ありませんが、台風の影響を受ける時間が長引くと積算雨量が多くなるので、大雨に対し、より一層警戒が必要になります。
予報円の大きさ
予報円とは台風の進路予想の白い点線の円のことで、予想時刻に予報円のどこかに台風の目が入ることを意味しています。台風全体ではなく、台風の目が入る円という点に注意しましょう。
予報円に注目してほしい理由は、予報円の大きさで台風の進路がどのぐらい正確に予想されているかがわかるからです。
- 予報円が小さい:台風の進路方向や速度がある程度定まっている
- 予報円が大きい:台風の進路方向や速度が定まっておらず、台風が急加速して影響が早まる可能性や減速して影響が長引く可能性がある
予報円が大きい台風は進路が大きく変わる可能性があるので、よりこまめに最新の進路情報を確認する必要があります。次に、事前にしておくとよい準備について紹介します。