自宅が台風の予報円に入っているとわかったとき、どうしていますか? 逃げる準備?水や食料品を買い込む? 自宅で、特に注意すべきなのは窓ガラスです。今回は台風や暴風の予報が出たとき、自分でできる窓ガラス対策を紹介します。実際、自宅で補強してみましたよ。うまくできたかどうか見てくださいね。
庭やベランダの物を片付ける
最初にお断りしておきますが、嵐の前の窓ガラス対策といっても自分でガラスを強化するわけではありません。窓ガラスにはもともとある程度の強度が備わっていて、風だけで割れてしまうことはまれです。実は窓ガラスが割れる原因の多くは強風ではなく、風による飛来物がぶつかることです。だから窓ガラス対策というのは、実はいろんな角度から飛来物対策を行うことなんです。
飛来物がどんなものかというと、庭やベランダに置いている植木鉢や物干しざおなどです。また、風速が強くなると、風によって外れたトタン板や、屋根瓦、屋根ふき材などが飛来する恐れがあります。それらが台風のときは人を傷つけたり、物を壊したりする凶器になりうるのです。
軽いものはどうでしょうか。家の外にほうきやちりとり、ゴミ箱、傘などはありませんか。それらは飛ばされることがないように家の中に入れておきましょう。ガタつきがある網戸は強い風で飛ばされてしまう恐れがあります。外して家の中に入れたほうが安全です。
ガーデンテーブルやイス、自転車など家に入れられない大きな物や重い物は、ひもで柱などに縛って固定しておくか、あらかじめ倒しておくと安心です。
車も飛来物に備え、屋内駐車場があれば避難させましょう。ない場合は、車全体にカバーをかけます。
(参考:YKK AP株式会社「秋のヒント『窓と台風』」https://www.ykkap.co.jp/madohint/autumn/02/)
シャッターや雨戸がある場合は閉める
窓ガラスにシャッターや雨戸がある場合、閉めるタイミングが大切です。風が強くなる前に閉めてロックしましょう。閉めておくことで、飛来物から窓を守ることができます。
(参考:YKK AP株式会社「めざそう災害に強い家」https://www.ykkap.co.jp/consumer/disaster/typhoon/)
シャッターや雨戸がない場合は飛散防止対策を
では、自宅にシャッターや雨戸がない場合はどうしたらいいでしょうか。実際、私の住んでいるマンションの窓にもシャッターや雨戸は付いていません。
残念ながら、雨戸やシャッターがないと窓ガラスが割れること自体を防ぐのは難しいと言えます。
割れたときの被害を最小限におさえる対策についても調べてみました。
飛散防止フィルムを貼る
ひとつめは、防犯フィルムや飛散防止フィルムを貼る方法です。以下のようなシートタイプの飛散防止フィルムがあります。
株式会社ニトムズ[ガラス飛散防止シート M6120]
https://www.amazon.co.jp/dp/B001NA0E2K/
このようなフィルムを貼っておけば、強風で窓ガラスが割れたとしても、ガラスが飛び散ることを防いでくれます。透明タイプなので窓の外の視界が遮られる心配もありません。ハサミでカットし、せっけん水で貼ります。
養生テープを貼る
もうひとつは、養生テープを使う方法です。
今回は、実際に自宅の窓ガラスに貼ってみました。
まずは、窓ガラスの内側に対角線上に2本貼っていき…。
米印のように貼ったあと、窓の枠に沿って外周もぐるっと囲めば完成です!
1分もあれば貼ることができました。養生テープは手で切ることができるので、ハサミも不要です。
養生テープなら、下の写真のように引っぱるだけで簡単に剥がすことができるので、紙の粘着テープよりもお勧めです。粘着力が弱いので跡も残りません。
養生テープはスーパーやホームセンターで簡単に手に入ります。家に常備しておくと安心ですね。養生テープがない場合は、窓ガラスの内側に段ボールを当て、その上から粘着テープで押さえるように貼る方法もあります。
カーテンを閉める
飛散防止フィルムや養生テープで窓ガラスを保護したら、カーテンを閉めておきましょう。暴風で窓ガラスが割れても、カーテンが部屋の中にガラスが飛び散るのを防いでくれます。カーテンの素材が厚手であれば、さらに安心です。
繰り返しになりますが、飛散防止フィルムや養生テープはガラスの強度を上げるわけではありません。あくまで「割れてしまった窓ガラスが飛び散らないようにするため」の対策であると覚えておきましょう。
そのため、一番大切なのは、そもそも物が飛んでくるのを防ぐために、庭やベランダなど、自宅周辺を片付けることだといえます。
自分だけでなくご近所の家も守るために、できることから対策をしたいですね。
台風の予報が出たら、自分でできる窓ガラスの対策を
台風は、事前に来ることがわかる自然災害です。数日前から進路予想が発表されていることがほとんどなので、台風情報をもとにいくつかのパターンを想定して、備えておくことが可能です。
私は住んでいる地域が台風の進路になっていたら、ベランダのあらゆる物を一時的に家の中にいれてしまおうと思います。そして、窓に飛散防止フィルムを貼っておくことにします。養生テープは3本ストックしました。準備は万全です!
備えをしたことで、強風や台風、嵐などの予報が出ても今までより落ち着いて対応できそうです。皆さんも自分でできる対策から始めてみてはいかがでしょうか?
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ムギ
フリーランスライター
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