災害について具体的に考えることは大切ですが、危険箇所を指摘するだけでは、子どもはどうしたらいいかわかりません。地震発生時に身を守る方法や安全な避難場所、助けてくれる人がいるといった子どもが自分でできる対処方法を、具体的に伝えることが大切です。
子どもの年齢や理解度によって次のように話してみてはいかがでしょう。
「通学中に強い揺れ!まずは安全に避難」
・「建物が崩れてくるかもしれないから、崩れてきそうな建物や塀から離れよう」
・「ランドセルや両腕で頭を守ろう」
・「揺れがおさまったら、安全な場所に避難しよう」
地震のときは倒れてくるものから身を守り、揺れがおさまったら安全な場所へ避難します。園や学校の避難訓練で子どもたちも一度は教わったことがあるはず。外で地震に遭った場合も、同じように行動するとよいことを伝えましょう。
「家に帰る? 学校へ向かう?」
次に揺れがおさまった後の行動です。
通学路で地震が起きたとき家に帰るのか学校へ向かうのか、判断の目安となる地点を家庭で決めておくとよいでしょう。家と学校とのおおよその中間地点が目安になりますが、単純に距離だけでは判断できない場合もあります。
・「道路の路面に地割れや陥没が生じたり建物が壊れていたりなど、危険が多くありそうな方向に行ってはいけない。安全な道を選ぼう」
・「煙や火が見えたときは、たとえ自宅のある方向でも近づいてはいけない」
・「学校や家のルールよりも、そのときの自分の安全を第一に考えて行動しよう」
こうした命を守るために大切なことをしっかり言葉で伝えてあげてください。
「逃げ込める場所はあるかな?」
学校と自宅以外にも、もしものときの避難場所を覚えておくと安心です。通学路近くにある公園や公民館などに、指定された一時避難所があるかどうか確認してみましょう。
災害時の避難場所も家族で共有しておきましょう。そして子どもが親と離れた場所で災害に見舞われても、自力でたどり着けるよう、実際に近くの避難場所まで行っておくとよいでしょう。
「災害のときは、近くの大人に助けを求めてもいいんだよ」
子どもたちは日ごろから、不審者対策として「知らない人にはついていかない。声をかけられたら走って逃げよう」と聞かされています。
しかし家や学校の外で災害に遭遇した時は、命を守るために周囲の大人に助けを求めたほうがよいタイミングもあります。そのため、「親がそばにいないとき災害で困ったら、近くの大人に助けを求めてもいいんだよ」ということを伝えておきたいですね。
交通安全ボランティアや「子ども110番の家」の活動をしている家、マンションの管理人さん、ご近所さんなど、子どもをあたたかく見守ってくれている人が地域ごとにいます。日頃から挨拶を交わすなどして、地域のつながりや、安心な大人の存在を子どもに知らせておきましょう。
バスや電車で通学しているときはどうする?
東日本大震災のとき、首都圏などで帰宅難民となった人のなかには、下校中の小学生や中学生もいました。バスや電車など公共交通機関を利用して通学する場合、子どもに伝えておきたいこと、保護者が備えておくことについても考えておきましょう。
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