メイストームによる被害
メイストームの特徴は、広範囲にわたって暴風が吹き荒れることです。
メイストームをもたらす低気圧のエネルギー源は、先述の通り冷たい空気と暖かい空気です。冷たい空気は中国大陸から、暖かい空気は太平洋からやってきます。規模の大きな空気がぶつかり合うため、暴風の範囲も広域になります。
加えて台風は接近してから急に風が強まりますが、メイストームの場合は温帯低気圧が接近する前から風が強まります。暴風の吹く期間が長期化するので、海岸では高波による被害の恐れもあります。
また温帯低気圧の接近前後は、以下のような現象が起こります。
①低気圧が接近する前は、強い南風が吹いて気温が上がる
②低気圧が通過すると、強い北風に変わって気温が下がる
このように風向きと気温が大きく変化します。そのため、山沿いでは低気圧が通過する前に気温が上昇して雪崩が起きるおそれがあります。そして低気圧が通過した後には、山沿いや北日本を中心に猛吹雪になることがあります。
つまりメイストームによる被害は単に暴風・高波だけではありません。低気圧の接近によって風向きや気温が急変化し、それによって備えるべき災害が山沿いや海沿いなど地域ごとに変わる点にも注意する必要があります。
無断転載禁止