災害に備えて用意しておきたいお金、発生後にもらえるお金

受け取れる損害保険金は、損害額から免責金額を差し引いた額となります。ほかに注意したいのは、火災保険の補償対象外となるものがある点です。自動車、パソコンデータ、帳簿、有価証券、クレジットカードなどです。自分の契約内容をよく確認しましょう。

また、損害保険金の請求期限は3年です。請求を先延ばしにしていると肝心な保険金が受け取れなくなるので、被害に遭ったら速やかに保険会社へ請求しましょう。

当座に必要な生活費として1か月分を現金で

被災しても、命をつなぐために食べ物や飲み物を確保しなければなりません。また、衣類・洗剤・トイレットペーパーなどの日用品の買い出しや、車で買い物へ行ったり災害ゴミを集積所へ運んだりする際のガソリン代などのために、ある程度のお金が必要になります。

しかし、災害時に停電が起こるとATMでお金を引き出せなくなり、クレジットカードやスマホ決済などキャッシュレスでの支払いもできなくなります。

そんなとき、役立つのが現金です。生活が元に戻るためには日にちがかかります。その間の生活費として現金を持っておくと安心です。

少なくとも1か月は暮らしていけるように、必要最低限の食費・日用品費・ガソリン代を現金で持っておきましょう。その際に考えておきたいのは、停電時の店では釣り銭がないかもしれないという点です。1万円札ばかりで持つよりは、一部を千円札や小銭などに崩して持っていたほうがよいでしょう。現金を手元に置く際には防犯面にも注意してください。
その他、いざというときの緊急予備資金として、家計口座に半年分の生活費を貯金しておくことをおすすめします。災害に遭ってから生活を立て直すまでに時間がかかった場合に役立ちますし、災害時だけでなく仕事が休業になるなど他のリスクに直面した際も利用することができます。

まとめ

台風や集中豪雨に見舞われ、自宅が被害を受けた場合には、壊れた箇所の補修をしなくてはなりません。こうした災害での補修費用については公的支援制度があり、要件を満たせば自宅の補修費用が助成されます。また加入中の火災保険から損害保険金が受け取れる場合もあるので、火災保険の加入状況をよく確認しておきましょう。
台風や集中豪雨が増える時期には、緊急時の生活費として必要最低限の生活費を現金で持っておくと安心です。いつ自分の身に降りかかるかわからないのが災害です。今のうちにできる備えはやっておきたいですね。

【参考URL】
内閣府「公的支援制度について」
東京都防災ホームページ「災害時における被災者生活再建支援」
日本FP協会「災害に備える くらしとお金の安心ブック」
内閣府「災害救助法に基づく住宅の応急修理に関するQ&A」
東京海上日動「住まいの保険」

 

<執筆者プロフィル>
前佛朋子(ぜんぶつともこ)
ファイナンシャルプランナー(CFP®)・整理収納アドバイザー1級
ライターとして節約、家計、終活、介護、不動産、ペット保険などに関する記事を複数の大手メディアで執筆している。2012年2級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)取得、2020年2月からCFP®認定者。

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