避難すべきか動かないほうがいいか災害によって違う
ところで、自然災害ごとに避難の必要性は異なります。その場にとどまるほうがよいものと、その場からすぐ避難すべきものがあります。
避難の必要性は下記の通りです。
■その場にとどまるほうがよい
〇地震
〇台風
■迅速に避難したほうがよい
〇津波
〇都市型洪水(河川の決壊)
〇都市型火災(点在して火災が発生)
■状況によって避難するかどうかを判断したほうがよい
〇土砂崩れ
〇大雨による洪水
自宅と避難場所など複数の集合場所を設定しておく
では集合場所はどこにしたらよいでしょうか。
少なくとも自宅と地域の指定避難所の2か所を設定しておいてください。それぞれの集合場所へのアプローチ方法なども決めておきましょう。
捜す人と待つ人の役割分担をしておく
自宅や指定避難所を避難場所として決め、運良く設定していた避難所にたどり着けたとしても、同じ場所にいながら家族と会うことができないことも考えられます。大勢の人がいて、思うように動けない、捜せない恐れがあります。
そこで重要なのが、家族のなかで動き回って捜す人ととどまって待つ人を決めておくことです。たった2人でも互いに相手を捜して動き回ると、すれ違いになりやすいためです。出会える確率を高めるためには、捜す人と待つ人の役割分担を決めておくことがポイントなのです。
安否確認アイテム&サービス
最後に家族の安否確認手段として注目されているサービスを紹介します。
GPS端末を利用した子どもの見守りサービスは、インターネット通信が可能な状況であれば利用できます。親が自分のスマホアプリで手軽に利用できるのがポイントです。
災害時だけでなく、普段から子どもの通塾の行動確認や防犯上の安全確認に利用できる点が魅力です。
現時点でお薦めしたいのは、以下のサービスです。
例:soranome
小型の端末機器を子どもに持たせておくことで子どもの場所を地図上で確認できるほか、子どもの行動履歴を同じ地図上で確認することができます。
まとめ
自然災害には常に想定外の出来事を念頭に置いておく必要があります。わが子のための、家族の避難計画を立てることができるのは、家族だけです。家族の安否確認をするために最新技術とアナログ的要素の双方を避難計画に盛り込んでおきましょう。
<執筆者プロフィル>
榑林宏之(くればやしひろゆき)
一級建築士(BAUMPLANNING一級建築士事務所代表)
中堅ゼネコン設計部を経て独立、一級建築士として活動。自然環境への取り組み(自然との共生)の一環として自然災害・防災(主に地震災害・防災)研究及び啓発活動を推進しています。
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