台風の季節は夏?秋?夏台風と秋台風で注意ポイントはこう違う

夏台風のリスクとは?

秋台風が自動車ほどのスピードで進むのに対し、夏台風は自転車ほどのスピードです。
秋台風は早く接近して早く去っていくため、台風本体の影響を受ける時間は少なくて済みます。一方、夏台風はゆっくりと接近してゆっくりと去っていくため、台風本体の影響を受け始めてから受けなくなるまでの時間が長くなります。
そのため夏台風には、雨や風の被害が長期化しやすいリスクがあります。
また、秋台風は偏西風の流れから進路が予想しやすいのですが、夏台風は、進路予想が大きく外れることもあります。

さらに夏台風は海のレジャーにも影響を与えます。海上に台風が居続けることで「土用波」が発生しやすくなるのです。
土用波とは、遠方の海上にある台風から発生したうねりが大波となって押し寄せてくる現象のことで、7月の土用のころに発生するため「土用」という名称が使われています。土用波はときに通常の2~3倍の大波が押し寄せてくることもあります。
海上で台風が発生しているときは、台風から遠く離れていても土用波に注意が必要です。

夏台風で特に注意したいこと

夏台風は大雨や暴風の長期化や暑さをもたらします。夏台風で特に注意したいことや被害を避けるための対策方法を紹介します。

想定外の大雨、暴風の長期化

夏台風で注意が必要なのは大雨・暴風の長期化です。夏台風は動きが複雑なので、予想できないような動きをする夏台風がやってくることもありえます。
たとえば、日本の南岸に夏台風が停滞して大雨や暴風が長期化するといった可能性も考えられますし、2016年(平成28年)の台風10号のようにUターンし、同じ場所に何度も大雨や暴風をもたらす可能性もあります。
台風の常識が通用しないのが夏台風の怖さです。

また、近年は地球温暖化の影響で夏の高気圧の威力が強まっています。そのため、9月になっても夏の高気圧が日本に居座り、台風を流す偏西風が日本に南下できず、台風がのろのろやってきて大雨や暴風が長期化するケースも増えています。

夏台風による大雨や暴風の長期化には十分に注意してください。

台風にともなう暑さ

夏台風によって暑さが増すことがあります。その要因は以下の2つです。

(1)台風が南の熱帯の空気を引き連れてくる
台風は日本よりも暑い熱帯地方で発生します。熱帯の空気の塊がやってくるようなものなので夏台風が接近すると気温が上昇します。

(2)台風周辺の下降流が夏の高気圧を強化させる
台風は目付近で空気を吸い込んで上昇し、その吸い込んだ空気を台風から離れた場所で下降させることで空気を循環させています。
空気が下降すると空気が圧縮(気圧が高くなる)して熱が発生しますが、台風の下降する空気が太平洋高気圧と重なると、高気圧の気圧が高くなってさらに暑くなるのです。

夏台風は暑さにも気をつけてください。

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