10月に気をつけたい防災キーワード「秋雨前線」!

10月に降る大雨の特徴と対策

繰り返しになりますが、10月に降る大雨の特徴は、台風が接近している場合に秋雨前線による大雨が先行して起こりやすい点です。
日本付近に秋雨前線がある場合、台風が接近する数日前から大雨が始まり、一度降り出したら台風が通過するまで雨のやむ間がほとんどない可能性もあります。
つまり秋雨前線による大雨が続いて十分な防災対策ができないまま、台風本体の活発な雨雲がやってきて、さらなる大雨被害や暴風被害を発生させるリスクがあるのです。

10月の大雨は「秋雨前線の大雨→台風の暴風雨」という流れになりやすいため、秋雨前線による雨が降り出す前に、
「台風の暴風に備えて飛びやすいものを片付けておく」
「避難場所と経路の確認をしておく」
「防災グッズの確認をして足りないものは買い足しておく」
などの台風と大雨災害の対策をダブルでしておきましょう。

雨が降り出すタイミングの確認には、週間天気予報
https://www.jma.go.jp/bosai/forecast/#area_type=offices&area_code=130000)が便利です。台風が日本付近に接近する予想になっていて、なおかつ週間天気予報で傘マークが数日並んでいるときは、秋雨前線と台風による大雨被害が想定されます。晴れや曇りの日を確認して、雨が降り出す前の日までには大雨対策をしておきましょう。

また秋雨前線と台風とでは、備えるポイントが変わります。
秋雨前線で起こる災害は、大雨による浸水・土砂災害・洪水の3つです。さらに台風が接近するときは、暴風による高波や高潮、停電などの災害が加わってきます。

実際、2019年10月10~13日に発生した秋雨前線と台風による災害では、浸水・土砂災害・洪水だけでなく、突風や暴風による停電、10mを超える高波や高潮による浸水といった被害も発生しています。10月の秋雨前線に台風が関係してくると、大雨だけでなくあらゆる気象災害が発生する可能性があることを覚えておきましょう。

また防災の基本になりますが、必ず住んでいる家や職場に起こりうる災害リスクをハザードマップで調べておきましょう。

以下は災害別のハザードマップです。

<秋雨前線・台風被害に関するハザードマップ>
・重ねるハザードマップ―「洪水」

・重ねるハザードマップ―「土砂災害」

・重ねるハザードマップ―「道路防災情報」

・重ねるハザードマップ―「高潮」

10月の大雨災害は秋雨前線と台風によるものがほとんどですが、「秋雨前線のみ」でも大雨災害が発生する可能性は十分にあります。冬にかけて少しずつ大雨災害が減ってくる時期ではありますが、秋雨前線の動向に注意して油断しないようにしてください。

<執筆者プロフィル>
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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