被災したら…子どもの教育や進学への影響は?利用できる支援制度を解説!

授業料や入学金の負担を軽減したい場合は各学校の「免除措置」を

高校生と中学生の2人の子どもがいるBさん。洪水によって職場が被災し、その影響で収入が長期にわたって減少する見通しです。子どもたちはそれぞれ進学を考えていますが、入学金や授業料の支払いに不安を感じています。

Bさんのように、授業料の支払いが長期間、難しくなりそうな場合は、学校が設けている免除措置を調べてみましょう。
受験する学校で、受験料、入学金、授業料などの免除・減額措置を利用できることがあります。また在校中の学校でも、授業料の免除措置を利用できる場合があります。

学校によって利用要件や内容は異なるので、詳細は受験予定または在学中の学校に問い合わせてみましょう。

学費だけでなく子どもの下宿費などの援助が必要なら「奨学金」

大学受験を控えた高校生の子どもがいるCさんは、被災よる収入減が数年にわたる見込みで、大学入学後の学費の支払いが苦しくなることが想定されます。加えて志望大学は実家から離れているので一人暮らしになりますが、その仕送りも厳しい状況です。

Cさんのように、遠方の大学へ進学予定の子どもがいる場合、奨学金の利用を検討しましょう。
奨学金とは、経済的な理由で進学が難しい学生に対して、貸与(または給付)されるお金のことです。学費だけではなく、下宿代や生活費など、学生生活に必要な費用に対して幅広く利用できます。

日本学生支援機構の奨学金制度とは

大学などの高等教育向けの奨学金としては、独立行政法人 日本学生支援機構の奨学金制度が代表的です。

この奨学金には、卒業後に返済が必要な「貸与型」と返済不要の「給付型」の2種類があります。貸与型はさらに、無利子で借りられる「第一種奨学金」と利息をつけて返済する「第二種奨学金」に分かれます。
給付型奨学金の対象となった場合は、授業料等の免除または減額も受けることができます。

通常申請期間は決まっていますが、災害などで家計が急変した場合は家計急変の事由が発生してから12か月以内(給付型は3か月以内)ならば随時申込みが可能です。

以下は日本学生支援機構の奨学金制度の概要です。

(出典:日本学生支援機構「奨学金制度の種類と概要」https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/index.htmlより筆者作成)

子どもが奨学金制度を利用できそうか知りたい場合は、日本学生支援機構が提供する「進学資金シミュレーター」(https://shogakukin-simulator.jasso.go.jp/)で確認してみましょう。利用したい奨学金の種類を選んで世帯年収などの必要事項を回答すると、奨学金を受けることができるかどうかの目安を知ることができます。

貸与型の奨学金を利用する際は返済計画をしっかり立てよう

卒業後に返済が必要な貸与型を利用する場合は、卒業後の返済計画をしっかり立てておきましょう。また奨学金は卒業後に学生本人が返済していくことになるため、お子さんにも理解してもらう必要があります。

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