【気象予報士が解説】意外と知らない「西高東低の気圧配置」のこと

西高東低の気圧配置になる理由

西高東低の気圧配置になる原因の1つに、中国大陸の高気圧があります。この高気圧は「シベリア高気圧」と呼ばれ、冷たく乾いた空気に覆われています。
ドライアイスをイメージすると分かりやすいですが、冷たい空気は暖かい空気に比べると重たいのが特徴です。気圧とは空気の重さのことであり、冷たくて重たい空気に覆われることでシベリア高気圧が作られます。

一方で日本付近では、中国大陸からの冷たい空気と太平洋からの暖かい空気がせめぎ合っています。この2つの空気がぶつかることによって低気圧が生まれます。
低気圧には「上昇流」といって上向きの風の流れがありますが、上向きの流れが強いほど地表付近の空気が軽くなって気圧が低くなります。低気圧は周辺の空気をどんどん吸い込み、シベリア高気圧の冷たい空気も吸い込んでいきます。

西高東低の気圧配置は、シベリア高気圧の冷たくて重たい空気が季節風となり、日本付近で発生した低気圧に向かって流れている状態です。高気圧と低気圧の気圧差が大きいほど、低気圧が勢いよく空気を吸い込むため季節風も強くなります。

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