12月に気をつけたい防災キーワード「暴風雪」!

暴風雪が起こるメカニズム

暴風雪の多くは、強い冬型の気圧配置がもたらします。
冬型の気圧配置とは、天気図を見たときに西に高気圧、東に低気圧がある西高東低の気圧配置のことです。冬になりやすい気圧配置なので、単に「冬型」と呼ばれることもあります。

西高東低の気圧配置については過去の記事も参考にしてください。
▼【気象予報士が解説】意外と知らない「西高東低の気圧配置」のこと
https://www.bosai.yomiuri.co.jp/article/4238

風は高気圧から低気圧に向かって吹く特徴があります。高気圧と低気圧の気圧差が大きいほど風が強まるため、西の高気圧の勢力が強く(気圧が高い)、低気圧が発達する(気圧が低い)と暴風や暴風雪になります。

下の天気図は、2017年12月25日のものです。

(引用-気象庁「日々の天気図 No. 191,2017年12月」
https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/data/hibiten/2017/201712.pdf

中国大陸に高気圧、北海道や東日本の東海上に低気圧があり、冬型の気圧配置となっています。等圧線は南北に走り、北日本ほど間隔が狭くなっているのがわかりますね。
このときは東北や北海道を中心に暴風雪となりました。

等圧線の間隔が狭い場所ほど強い風が吹くため、暴風雪への備えがより一層必要になります。

暴風雪で特に注意すべきエリア

暴風雪の原因となる雪は、日本海で発生した雪雲によってもたらされます。雪雲は、中国大陸から日本に向かって吹く冷たい季節風が温かい海面から水蒸気の供給を受けて発生します。そして雪雲は季節風に乗って日本海側の陸地に雪を降らせます。
この季節風の強さが暴風並みになると暴風雪になるわけです。

雪雲の背は低いため、山地を越えることができません。そのため、太平洋側では雪が降らないエリアが多くなります。

暴風雪で特に注意すべきエリアは、日本海側のエリアです。
ほかにも、東シナ海で発生した雪雲が流れ込む九州の西側、日本海で発生した雪雲が関門海峡を越えてやってくる瀬戸内海側でも暴風雪になることがあります。

風は陸地を進むにつれて、地面との摩擦で弱まる特徴があります。一方、海上は摩擦が小さく風が弱まりにくい特徴があります。
季節風の方向となる西~北に海があるエリアは特に風が強く吹きやすいため、一層の注意が必要です。

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