【気象予報士が解説】12月は「雪崩防災週間」!身を守り逃げるポイント!

気象情報を活用して雪崩から身を守ろう

雪崩に関する注意報・警報は「なだれ注意報」になります。なだれ注意報は「雪崩による災害が発生するおそれがあると予想したときに発表」されます。なだれ警報はないので、なだれ注意報が発表された時点で雪崩が発生する確率はかなり高まっています。

表層雪崩が発生しやすい気象条件

表層雪崩については積雪深が1m以上あり、なおかつ30cmを超える降雪があると特に発生しやすくなります。積雪の状況は気象庁の「雪の状況 」で確認できます。
また降雪量については「今後の雪」で調べることができます。
これらの気象情報を活用することで、雪崩のリスクを知ることもできます。なだれ注意報が出てなくても、急激に降雪量が増えている場所にはなるべく近づかないようにしましょう。

加えて表層雪崩は雪が積もっているところに降雪があると起こりやすいため、「強い寒波が予想されている」「大雪が予想されている」ときなども要注意です。

全層雪崩が発生しやすい気象条件

全層雪崩は、1日の平均気温がマイナスからプラスに転じるようなタイミングで、なおかつ積雪があるところに雨が降ると起こりやすい特徴があります。このような気象条件がそろうときは「なだれ注意報」が発表されますが、アメダスを使ってなだれのリスクの大小を判断することもできます。

アメダスで全層雪崩のリスクを調べるためには、見たい地域を選択してから「降水量」、「気温」、「積雪深」の3つを確認してください。
降水があり気温がプラスで時間とともに積雪深が減っているときは、降雨によって雪が溶けている(雪が圧縮されている)ことを意味します。このような状況のときはいつも以上に全層雪崩が起こりやすくなります。

また春先に日本海を低気圧が進み、南風が吹いて気温が急激に上がるときも融雪が進んで全層雪崩が発生しやすくなります。さらに日本海側は強い南風が吹き下ろすフェーン現象によって気温が上昇しやすく雪崩のリスクが高まります。
「フェーン」や「南風」、「春一番」などの言葉を見聞きするときは注意してください。

<執筆者プロフィル>
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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