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地震が発生するとエレベーター内に閉じ込められてしまうことがあります。最近の例では、2021年10月に東京で震度5強を観測した地震の発生時には、東京・神奈川・埼玉・千葉で28件のエレベーターの閉じ込めが発生したそう。
自宅マンション・駅・オフィス・商業施設など、私たちが毎日のように使っているエレベーター。いつ地震に遭って閉じ込められてもおかしくありません。ある日突然エレベーターに閉じ込められてしまったら、利用者はどう行動すればよいでしょうか。この記事では、そうなったときに慌てないですむポイントや対処方法を紹介します。
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地震が発生したら、「地震時管制運転システム」が作動します
まずは地震が発生した際のエレベーター側の動きについて紹介します。
2009年以降に設置されたエレベーターでは、揺れを感知すると最寄り階に停止する装置(地震時管制運転装置)の設置が義務付けられています。その装置が作動した場合は、下記のような流れでエレベーターは停止し、復旧が行われます。
(1)最寄りの階に自動的に停止して、扉が開放されます。
(2)最寄り階で扉が開いた後、一定時間が経過すると扉が閉まります(扉が自動で閉まった後は、外からは扉を開けられませんが、中からは手で開けられるので閉じ込められることはありません)。
(3)揺れが軽微だった場合は、一定時間が過ぎると自動で運転が再開されます(初期微動センサー付の場合)。
揺れが大きかった(震度4程度~)場合は、最寄り階で扉が開いた後エレベーターに損傷が無くても技術者の点検を受けるまで運転は再開されません。避難には階段を使用しましょう。
このように地震時管制運転システムが正常に作動した場合は、最寄り階で扉が開くので閉じ込めが起こりにくい仕組みになっています。しかし、最寄り階に止まる前に大きい揺れを感知した場合や、センサーの誤作動やエレベーターの損傷などによって閉じ込めが起こることがあります。
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