未来につなぐ|杉野真実 日本テレビアナウンサー④

いざという時「命を守る」呼びかけができるアナウンサーに 防災の学びを深める

“未来を担う人を育てる”という意味では、日本テレビのアナウンス部でも防災についての勉強会を行っています。日本テレビのアナウンサーは60人超います。私は入社の年でいうとちょうど真ん中の30人目ぐらいになっていますが、これまで防災について先輩から教えてもらったものをちゃんと後輩につなげたいと思ったのがきっかけです。2020年6月、防災に興味がある人に声をかけて始めました。アナウンサーはテレビに出ていない時間は、出演番組の準備などにあてていますが、在宅時間なども有効に使うようにして月1回、リモートで開催しています。現在は先輩方も含めて全員に参加を呼びかけています。
勉強会では、地震が起きたら何分後に市町村震度が判明して、何分後に津波がくるのかどうかがわかる、といった基本的な知識から確認するようにしています。東日本大震災で被災された方々にもオンラインでお話を聞いたこともありました。
誰かに教えるためには、もちろん私自身も学びを深めていなくてはいけません。専門家の先生方や被災された方、取材で出会った様々な方からお聞きしたことを、出来るだけ多くのアナウンサーに伝えようと思っています。アナウンサー全員が防災意識を高め、命を守るよびかけが出来るようになることで、いざという時に視聴者の方に「日本テレビを見ていてよかった」と思ってもらえたらうれしいです。

アナウンス部の勉強会でも話しているのですが、台風や大雨による災害、噴火など、一つ一つの災害を伝える上で、いつも大切にしたいと思うのは、テレビの前の方がどんな気持ちでこの放送を見て下さっているか“想像する”ことです。思い返すのは、大学3年生の春、入社前に都内で経験した東日本大震災の揺れ、その後の社会の様子です。あの時に感じた揺れの感覚は、まだ身体に残っています。また、あの時の不安や怖い、悲しいと思う気持ちも忘れないようにしています。これから起こってしまうであろう、首都直下地震や、南海トラフ地震、「とにかくどうしたらいいかわからない」という感情でテレビの前にいる方々、揺れている地域の方々に、出来るだけ思いを寄せて、少しでも落ち着いて頂けるように、心を込めて、お伝えしたいです。

自分の身の周り、近くにいる人を守りたいという気持ちが「防災」そのもの、だと私は考えています。是非、今この瞬間から、防災を始めてみて下さい。

※「防災ニッポンボイス」日本テレビアナウンサー杉野真実さんのコラムはこれで終了します。

参考動画
2021年5月29日NEWS24
防災教育 命を守る行動 未就学児に
動画はこちら

参考動画
2021年11月20日NEWS24
地震で危険な通学路防災小説で見えたもの
動画はこちら

<プロフィル>
杉野真実(すぎの まみ)
2012年に日本テレビにアナウンサーとして入社。聖心女子大学文学部卒業(歴史社会学科国際交流専攻)。1990年生まれ。東京都出身。趣味・特技は書道(師範)、英語、フランス語と旅行。
現在の出演番組は「Going!Sports&News」「news every.サタデー」「バゲット」「情報ライブ ミヤネ屋」(ニュースコーナー)「スッキリ」(ニュースコーナー)ほか。

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS