低温による気象災害
では、寒さには具体的にどんな災害リスクがあるのでしょうか。
冬季の低温による災害は、水道管凍結・破裂などです。近年だと2016年1月24日、鳥取県や徳島県などで大寒波による水道管凍結や破裂が起こり、断水や水圧低下などの被害が発生しました。水道管凍結・破裂が発生すると数日にわたり断水状態になる場合もあります。
水道管凍結や破裂は最低気温が0℃を下回ると発生するリスクがあります(対策がされている寒冷地は除く)。その理由は、水が氷になると体積が増えて膨張するためです。水道管が凍結すると中の水が凍って膨張することで水道管が破裂します。
水道管凍結の対策としては以下のような方法があります。
・水道のメーターボックス内の管やメーターの凍結防止として古毛布や新聞、発泡スチロールをメーターボックス内に敷き詰めて凍結温度になるのを防ぐ。
・屋外の蛇口やむきだしの水道管に布やビニールテープを巻き付ける。
・前日にお風呂の浴槽に水をためておく。太陽が出て気温が上がり水道管の凍結が解消されるまで、水道の水は使わず生活用水として使う。
また、追い炊きできる給湯器なら、凍結しそうな外気温になると自動ポンプ運転装置が作動し、残り湯が循環して凍結するのを防げる。
・水たまりの水が凍りやすく、流れのある川の水が凍りにくいのと同じで、水道も水が常に出ている状態だと凍りにくくなる。そのため、夜間から朝にかけて少量の水を出しっぱなしにすることで凍結を予防することができる(ただし水道代は余分にかかる)。
・長期的に水を使う予定がないときは、水抜きをして水道管に水がない状態にする。具体的な方法は以下の通り。
①水道の元栓を閉める
②給湯器の電源をオフにする
③家のなかの蛇口から水を流す
④すべて流れたら蛇口を閉める
低温が予想されているときは、水道管凍結や破裂に備えておきましょう。
低温に関する注意報、警報は「低温注意報」のみ
低温に関する注意報・警報は「低温注意報」のみです。低温注意報は低温により災害が発生すると予想されたときに発表します。
冬季の低温注意報は、水道管の凍結や破裂による被害が発生するおそれがあるときに発表されます。ちなみに夏季の低温注意報は、低温による農作物の被害が発生するおそれがあるときに発表されます。
同じ低温注意報でも、時期によって対象となる災害が異なります。
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