3月に気をつけたい防災キーワード「フェーン現象」!

フェーン現象で想定される災害と対策

フェーン現象が発生すると以下の3つの災害リスクが高まります。
・火災
・雪崩
・暴風

対策についてそれぞれ詳しく解説します。

火災

フェーン現象が発生すると、「乾燥」「強風」をもたらします。
空気が乾燥することによって火災が発生しやすくなり、さらに強風によって小さな火災でも大火災につながりやすくなります。

近年だと、2016年12月22日に新潟県糸魚川市で147棟が被害を受ける大火災が発生しました。このときも日本海側に低気圧があり、糸魚川市ではフェーン現象によって風速20mを超えるような非常に強い南風が吹いていました。

このケースは12月でしたが、同じような気象状況は3月にも多く見られます。

火災の発生を防ぐためにも以下の点に注意してください。

・寝たばこはしない
・ストーブの周囲に燃えやすいものを置かない
・料理しているときはその場を離れない
・たき火をしない
・タコ足配線をやめる
・コンセントにほこりを付着させない
・住宅用火災警報器を設置する
・カーテンや寝具はできるだけ防火製品を使う

雪崩

フェーン現象が起きると、気温が上昇して雪崩が発生しやすくなります。
特に3月は山間部では残雪が多い時期なので、フェーン現象によって気温が急上昇すると雪の層全体がすべり落ちる「全層雪崩」のリスクが高まります。

全層雪崩は、以下のような条件がそろう場所で発生しやすい特徴があります。

・過去に雪崩が発生した斜面や山腹傾斜地
・積雪の亀裂が発生している山の斜面
・木々がまばらで背が低く、草地や裸地が多い場所
・斜面の角度が30~55度の場所

雪崩危険箇所は国土交通省の「重なるハザードマップ」の雪崩危険箇所で確認できます。冬のレジャーで出かける場合や山間部にお住まいの方、仕事で山間部を訪れる予定がある方は必ず雪崩のリスクをチェックしておきましょう。

雪崩は猛スピードで迫ってきます。雪崩の発生現場に居合わせてしまった場合、雪崩の本流から少しでも離れるためにも必ず横方向に逃げてください。

暴風

フェーン現象によって暴風が発生しやすくなります。フェーン現象は風が山から平地に向かって吹き下ろすため、地形によっては極端に風が強まる特徴があります。
日本三大局地風の一つのやまじ風(愛媛県四国中央市)も南風がもたらすフェーン現象の一種です。

またフェーン現象が発生しにくい太平洋側でも、強い低気圧の影響で南よりの暴風が吹くので注意が必要です。

暴風が予想されているときは以下のような被害に注意が必要です。

・歩行中の転倒
・車の横転
・建物の損壊
・農作物の被害
・停電

暴風が予想されているときは屋外での行動をできるだけ控え、自宅で過ごすようにしてください。また飛散物で窓が割れる可能性もあるので、窓から離れたところで過ごしましょう。

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