「高速道路が倒れた!」衝撃映像から防災士の道へ| 木原実 日本テレビお天気キャスター②

余震、ガス漏れ…「3.11」で生きた防災士の発信力

出演番組のスケジュールと重なり、なかなか受験日程が決まりませんでしたが、ちょうど3週連続で土曜日に防災士の講座がある事が分かり、京都の会場まで通いました。東京から朝一番の新幹線に乗って、講習を受けて試験を受けるというスケジュールで、資格を取得しました。東日本大震災発生後、番組で地震の話をする機会があり「余震に気をつけてください」「ガス漏れがあるかもしれません」と伝え、閉じ込められている人の救助を呼び掛けることができました。

また、防災士の資格試験に合格した後、防災士機構の方から、「有志で防災士会をつくりたいので協力してほしい」という連絡がありました。いろいろな職種の方々と一緒に、日本防災士会の発起人として参加し、最初の常任幹事に就かせていただきました。防災士を増やすために広報的な仕事もし、防災士会が動き出す際のお手伝いをさせてもらうことができました。地域の防災活動を活発にして、防災力を高めるために防災士は必要です。

地震時、まずは命を失わずに最初の揺れを回避し、その後は体調を崩さないように自治体や消防などの「公助」が受けられるまでの2日、3日間を自分の力で過ごせるようにすることを考えましょう。自宅では、食品のローリングストックとして、主食のお米は5キロ入りの袋が常に2つある状態にしています。水はウォーターサーバーのタンク(12ℓ)を3つ常備しています。水は1人が1日に3ℓ必要とされているので、家族4人で3日間を過ごせる計算になります。お風呂の水を飲めるように浄水器も準備しています。非常時の食事については、「1日30品目を食べなければいけない」といった形にこだわるのではなく、「10品目ずつを3日に分けて食べればいい」といった柔軟なとらえ方でいいと思います。十分な備蓄がない場合はごはんに「ゴマ塩」でもいいと思います。非常時だから、フカフカのパンが無くても乾パンをスープに浸けて食べてもいいし、それはそれで面白い経験と楽しんではどうでしょう。

③「揺れたその瞬間に死なない」が何より大切

<プロフィル>
木原 実(きはら みのる)
日本テレビお天気キャスター・気象予報士・防災士
日本大学芸術学部演劇学科卒業。1986年から日本テレビでお天気キャスターを務め、現在は「news every.」(日本テレビ)で、キャラクターの「そらジロー」とお天気コーナーを担当する。1995年に気象予報士、2004年に防災士の資格を取得。日本防災士会常任理事をはじめ、2011年には内閣府「災害被害を軽減する国民運動サポーター」に就任した。このほかナレーターや声優、舞台俳優としても活動している。

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