実家の災害対策は帰省がチャンス!親とハザードマップで確認しよう

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家族や親戚が集まるお盆のタイミングは、実家の家屋や周辺の状況をチェックする、またとない機会です。高齢者だけの暮らしだと見落としがちな点などを、帰省の際にぜひチェックしておきましょう。
今回は、ハザードマップから読み取るチェックポイントとその活用方法、具体的な対策について、災害の事象別に紹介します。

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ハザードマップで実家のリスクをチェックしよう

点検のベースにしたいのが、自治体から配布されるハザードマップです。
ハザードマップとは、地形や気候などの特性からその地域に、どのような災害リスクがあるのかを示した地図です。その地域で起きうる災害を想定して、次のような被害の可能性を地図上に表します。

●津波:到達する時間、津波の高さ、浸水の範囲など
●風水害:洪水の範囲・水深、高潮の範囲・浸水、内水氾濫の可能性など
●土砂災害:土石流、地すべり、がけ崩れが発生する可能性

ハザードマップには予測される被害の度合いだけでなく、自治体が指定する避難所や一時的な退避場所なども記載されていて、災害のリスクから身を守るための手がかりとして活用できるようになっています。

ハザードマップの中には、特定の地震を想定して発生した場合の揺れやすさや液状化、火災発生の危険性を地図にしたものもあります。これらについては、風水害や土砂災害と違った読み解き方が必要です。
地震はいつどのようなメカニズムでどんな震度で揺れるかの予測ができません。このため、ハザードマップに記載された想定震度や建物倒壊、火災などの危険度がどの程度であろうと、耐震や耐火といった住まいの地震対策は必要です。地震災害のハザードマップは、道路の狭さや木造の建物の密集したエリアなど、避難の際の危険性を検討する場合の地図として活用するとより効果的です。

もちろん、風水害も土砂災害も、ハザードマップのとおりに災害が発生するわけではありません。2019年の台風19号で亡くなられた方の場所とハザードマップを重ね合わせたところ、想定された範囲外での被災が約3割にのぼったという調査結果も出ています。
ハザードマップは、あくまでも地域の災害発生の可能性がどの程度あるかを示すものであり、安全であると宣言しているわけではないことに注意しつつ、全体としてのリスクの傾向をみるようにしましょう。

ハザードマップを手に入れるには

ハザードマップは自治体のサイトなどで公開されることも多くなりました。ただ、多くの市区町村では、各家庭で地図として活用することも想定し、紙面に印刷したものを戸別配布したり、役場に置いてあったりします。

高齢者はもちろん、若い人でも、紙の地図を広げて確認することでスマホやタブレットの画面では得られない広い範囲での情報が一覧できます。実家に帰った際には、広報紙などと一緒にハザードマップが届いていないかを確認してみましょう。

紙のハザードマップを見つけた場合、念のため自治体のホームページ内で「ハザードマップ」と検索し、最新版かどうか確かめることをおすすめします。帰省前にネット上で実家のハザードマップを探しておき、帰省してから現物の地図を広げて両親と一緒に危険をチェックするという方法も効果的です。

ハザードマップで確認することは

(画像引用:名古屋市「洪水ハザードマップ東区」

① 実家周辺の災害の危険度
ハザードマップをみつけたら、まずは実家の周辺にどのような災害の危険度があるかをチェックしましょう。
津波や洪水による浸水の可能性、土砂災害の危険度などをみて、実家の場所がどんな災害に弱いのかを確認します。首都直下地震や南海トラフ地震などの特定の地震による被害が想定されている地域の場合、想定された震度や揺れに伴う建物倒壊、液状化などが発生する可能性を確認できます。
災害の危険性を確認し、備えの優先順位をつければ、「いつ災害がくるかもわからないのにお金をかけるのはもったいない」などためらいがちな場合でも、対策をたてやすくなります。

② 避難先と避難ルート
もうひとつ、地図を開いている間にチェックしたいのが避難先と避難ルートです。
たいていのハザードマップには自治体の指定する避難施設が記載されています。どこの避難先がいちばん安全に移動できるか、どのルートを通れば安全にたどりつけるかを、家族で話しあっておきましょう。

このとき、散歩がてら地図を片手に歩いてチェックすることをおすすめします。道幅や高低差、電柱やブロック塀、側溝など、実際に通ってみて気づくことも多いからです。
気になることは地図に書き込みやマークを入れておき、避難ルートマップとして室内に貼り出しておくとよいでしょう。

ハザードマップの活用法はこちらの記事も参考にしてください。
意外な発見続々!防災マップ持参で避難所まで歩いた

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