驚かされたアメリカの防災意識の高さ| 木村敬一 パラアスリート④

何かあると警報のベルが鳴りました

10歳から水泳を始め、中学、高校と記録が上がっていくのが楽しくて一生懸命になりました。2008年の北京パラリンピックに出場して、メダルは取れませんでしたが、もっと強くなりたい、もっと速くなりたいと思いました。その後、世界選手権では何度か1位になりましたが、パラリンピックではあと1歩及ばないことが続きました。そこで環境を変えてもっと強くなりたいと、2018年に思いきって2年間アメリカに留学しました。
アメリカでは学生寮に住んでいました。誤報も多かったのですが、何かあると警報のベルが鳴り響きます。銃などの事件が多いこともあって、アメリカの学生たちの防災意識は非常に高く、何でも協力し合いながら、対応しました。

東京ガスの社員としてみなさんに伝えたいこと

私は今、東京ガス株式会社の社員です。ガス会社の者として、みなさんにも注意してもらいたいことがあります。皆さんのご家庭にあるガスのメーターは、日本全国どこでも、地震などが発生したときは、安全のためにガスを止めるようになっています。

地震があると、「ガスが止まり、使えなくなった」という問い合わせが、毎回多数寄せられます。震度6以上のような大きな地震では広い地域で集中してガスが止まりますが、多くの場合は、各家庭でガスが止まっても自分で復旧することができます。メーターにあるキャップをはずしてボタンを押すと点検してくれます。そして、問題がなければガスが使えるようになります。メーターに復旧の仕方を記した説明書がありますので、ガスメーターがどこにあるのか、その場所を普段から確認しておいてください。ガスが止まっても自分で復旧できるということを、多くの人に知ってもらいたいと思います。

※「防災ニッポンボイス」木村敬一さんのコラムはこれで終了します。

<プロフィル>
木村敬一(きむら けいいち)
パラアスリート
2歳の時に病気のため視力を失う。小学4年生から水泳を始め、単身上京した筑波大附属盲学校(現・筑波大学附属視覚特別支援学校)で水泳部に所属し、着実に力をつけ頭角を現す。ロンドン2012パラリンピックで銀・銅1つずつのメダルを獲り、リオ2016大会では銀・銅2つずつ日本人最多の4つのメダルを獲得した。2018年から単身アメリカに拠点を移し、4度目の出場となる東京2020大会では、200m個人メドレー5位入賞、100m平泳ぎ銀メダル、100mバタフライでは自身初となる悲願の金メダルを獲得した。2021年紫綬褒章受章。

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