被災時に食べたかったものは生野菜だった!ベランダ菜園の意外な効果

西野弘章さんの「逃げなくてもいい家」⑤ “防災”というライフスタイル

「避難所に行かない防災の教科書」の著者、西野弘章さんへ続けてきたインタビューは、今回で最終回です。お話をうかがっていて「日常生活の延長線上にある防災」、「災害時から逆算した日常生活」を連想しました。そこで最終回は、その暮らしの根底にある西野さん流の防災哲学に迫ります。

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台風15号の被災経験

――西野さんは、自作した小屋づくりのノウハウを書いた著書「小屋大全」もあるほど、DIYの達人です。何でも自分でできれば、被災しても応用が利きそうですね。

確かに小屋は趣味でつくりましたが、自宅はプロの方に頼むところは頼んで、家族でできることは家族で、という感じで、何でもつくるわけではないんですよ。それに、確かにもともとDIYをやっていましたが、2019年の台風15号で被災してから、考え方は明らかに変わりました。

――それは驚きです。どんな風に変わられたのか、興味があります。

台風を機にどう変わったのか

命に関わることを、リアルに、本気で考えるようになって、今までの生活で無駄なことを見直すようになったのです。何が自分にとって一番大事なのか。より具体的に考えるようになりました。

日常で当たり前のように使っているものが、使えなくなった時、何ができるか。大災害の前では人間は弱者に過ぎない。もうちょっと謙虚になって、自然を見つめ直した方が良いのではないか・・。そんな風に考えて今、はまっていることの一つが、ソーラークッキングです。

大人も楽しいソーラークッキング

――子どもの夏休みの自由研究にもなりそうですね。子どもが喜びそうです。

子どもだけでなく、大人もむちゃくちゃ楽しい。へたに火を使うより、簡単だし、おいしく感じます。

もともとは古くから世界中で行われているものですが、国内でその普及啓発活動をされている方に出会って、興味を持ちました。

70cm四方の厚紙に、アルミホイルを貼って湾曲させる。その中心に黒いなべを置いて調理します(写真)。

写真説明:自作のソーラークッカー。材料費は300円。

1時間でご飯も炊けるし、煮込み料理もできる、ケーキも焼けます(=写真)。ゆで卵は30分あればできます。災害時のコンテンツの一つとして、ぜひ紹介したいと思っています。

写真説明:ソーラークッカーでカレーライスもできる

もう一つ、防災対策としてお勧めなのが、家庭菜園、ベランダ菜園です。

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