東京の雪予報は気象予報士泣かせ|杉江勇次 日本テレビ気象デスク③

関東で雨から雪に変わる大まかな目安

全国で少し違うのですが、関東では上空500メートル付近で零度以下になるところが雨から雪に変わる大まかな目安となっています。このような時は、地上から上空500メートルくらいまでとどまる「滞留寒気」が形成されます。

ただ、同じような環境でも、地上で吹く風が北西なのか北東なのかで変わってきます。関東平野では北西の風が吹くと、内陸から冷たい風が入って雪になるのですが、北東の風は海風で、ちょっと湿気が多くて気温が高いので、雨になったり、みぞれになったりします。

この北西の風と北東の風がまた、東京湾を境にして都心に入ったり、千葉に入ったりと、10キロメートル、20キロメートルという単位で変わってきます。地上の湿度も関係します。気温は同じく2度でも湿度が90%あると雨になり、70%だと雪になるんです。同じ気温でも湿度がちょっと高いか低いかで雲泥の差です。

雪の予報はよくはずれてしまう

雪が降ったとして、それが積もるか積もらないかも、微妙な条件の違いで変わってきます。

地上の気温が1度だと雪は降っても溶けてしまい、ほとんど積もりません。それが0.5度を下回ると積もり出すんです。

経験はある程度大事なのですが、過去の例を見ても細部の気象条件まで同じということはほとんどないので、雪の予報はよくはずれてしまいます。「雪が5センチ降りますよ」と予報したのに全く雪が降らなかったり、「雪は降ったとしても積雪にはならないでしょう」と予報したのに10センチも積もってしまったりすることがよくあります。

社会的な影響が大きいだけに、よりきめ細やかな予報が求められてはいるのですが…。東京の雪の予報は、ホントに気象予報士泣かせです。世界一難しいのではないかと思います。

※杉江勇次さんの日本テレピ気象デスク④ 危ない時に注意してもらうための工夫

<プロフィル>
杉江 勇次(すぎえ・ゆうじ)
気象予報士、日本テレビお天気キャスター・気象デスク
1968年千葉県松戸市生まれ。中央大学理工学部卒業。富士通でシステムエンジニアとして3年間勤務。退社後、1996年ウェザーマップ入社。TBSでおはようクジラ、ニュースの森などの天気予報を務めたのち、2002年から日本テレビで昼の天気予報を担当。「ズームイン!!サタデー」や「news every.サタデー」に出演するほか、朝から夜にかけて、様々な番組で天気予報のほか気象デスクも担当している。特技のドラム演奏で天気を表現するドラマチック天気予報も行っていた。

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