集中豪雨は時間勝負!見るべき気象情報はこれだ

記録的短時間大雨情報

まず記録的短時間大雨情報について。記録的短時間大雨情報は、数年に1度しか発生しないような短時間の大雨を観測・解析したときに発表される気象情報です。その時に降っている雨が土砂災害、浸水害、河川の氾濫につながる可能性が高い雨量であることを知らせる情報であり、災害リスクが高まっていると判断できます。

記録的短時間大雨情報が発表された時点では、すでに集中豪雨が発生して屋外への避難が危険になっている可能性もあります。そして住んでいる地域の災害リスクは、警報や記録的短時間大雨情報だけで網羅することはできません。次に紹介する警報の危険度分布をチェックして、今いる場所で集中豪雨以外の災害リスクがどれくらい高まっているかもあわせて確認しましょう。

警報の危険度分布

警報の危険度分布は、今いる場所の土砂災害、浸水、洪水の危険度が分かる気象情報です。危険度は下図表の通り5段階に分かれており「赤色=避難準備」「紫色=避難指示」の目安になっています。

 

出典:気象庁「危険度の色と避難行動」

警報や記録的短時間大雨情報が発表されたら、警報の危険度分布をチェックして、今いる場所の災害リスクがどれくらい高まっているかを確認してください。

また、警報の危険度分布はその時点から10分~20分前の情報が表示されますが、集中豪雨が発生すると分単位で状況が刻々と変わります。警報の危険度分布が赤色になると避難の目安になりますが、黄色でも状況が急激に変わる場合があると認識し、身の危険を感じたら黄色でも早めに避難しましょう。

まとめ

集中豪雨は短時間で災害リスクが高まるため、自治体や気象台の情報を待たずに、自分自身で現在いる場所にどんな災害リスクがあるのかを考えて行動することも大切です。特に、川の近くや山間部、地下など水害が起こりやすい場所にいる場合は、大雨が降りだしたら安全な場所に早めに避難しましょう。集中豪雨はいつどこで起こるか分かりません。集中豪雨によって起こる災害リスクをあらかじめ頭に入れておき、いざとなったら気象情報を活用して災害に備えましょう。

 

<執筆者プロフィル>
田頭孝志
防災アドバイザー/気象予報士 田頭気象予報士事務所
愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数 ・防災マニュアルの作成に参画。

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