内水氾濫、AIが監視します! 茨城県が実証実験開始

写真説明:浸水被害を受けた茨城県取手市で、消防のボートで避難する住民(2023年6月)

有効性を検証して住民の早期避難へ

茨城県は、2023年6月の大雨で浸水被害を受けた取手市双葉地区で、AI(人工知能)を備えた監視カメラで増水や冠水を監視する実証実験を行った。雨水が川に流れなくなる「内水氾濫」が発生した同地区でカメラの有効性を検証し、県内各地での導入を模索する考えだ。

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職員にメールで自動通知

実証実験は内水氾濫の被害を迅速に把握し、住民の早期避難につなげる目的で茨城県が2023年9月から始めた。
監視カメラは、同地区内で越水が始まった付近にある南北の排水路2か所と、床上浸水した私立認定こども園「つつみ幼稚園」前の交差点の計3か所を24時間監視する。増水や冠水を検知すると、カメラに搭載したAIが自動で茨城県や取手市の職員にメールで状況を通知する仕組みで、排水路では通常より水位が10cmと20cm上昇した際の2回、交差点では冠水が10cmに達した時に1回知らせが届く。実験は11月末まで実施した。

■AIカメラを用いた実証実験の流れ

設置しやすいAIカメラ

茨城県情報システム課によると、AIを備えた監視カメラは水位計が不要で、電柱や建物に容易に取り付けられるため、導入コストが比較的低いという。現場の状況を画像や動画で即時に確認できるのも利点で、「特に内水氾濫の有無や市街地での大雨被害を確認するのに活用できる」とみている。

写真説明:内水氾濫の早期把握に向けた実証実験で、県が設置したAIカメラ(取手市双葉で)

誤作動も!精度の検証が課題

一方で、増水や冠水が起きていないのにAIが通知を出す誤動作も発生しており、「通知の精度にはまだ課題がある」という。こうした課題を検証した上で、茨城県は実際に利用できるかどうか検討する。矢部英雄課長は「水害を検知するツールの一つとして実用化し、リスクの高い場所で取り入れたい」と話している。

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