災害時に! ドローンが44kg積んで300m飛行

千葉・館山の山間部で 国内最大級の運搬用機の実証実験

国内最大級の重量物運搬用ドローンの実証実験が2021年3月、千葉県館山市内の山間部で行われた。2019年の台風15号で大きな被害を受けた同市は、孤立地区に救援物資を輸送する際の活用に期待を寄せている。

実験は「古河産業」(東京都港区)などが作る任意団体「Future Drone Systems(フューチャー・ドローン・システムズ)」が行った。

写真説明:ドローンを最終チェックする関係者ら(館山市で)

強力な回転翼8基を搭載

世界的にドローン輸送が注目を集める中、国内ではまだ一度に5kg程度を運ぶのが限界といい、山間部での物資輸送は人の手に頼るところが大きい。

重量物を運ぶドローンの開発は、送電線鉄塔を建設する際の地質・地盤調査などを行う企業が、機材運搬用として同団体に依頼した。新たなドローンは縦横約2・4m、重さ30kgで8基の強力な回転翼を備える。一度に重さ49kgまで運べ、1日の輸送量は最大800kgと想定。実験では重さ44kgの機材を積んでふわりと浮き上がり、予定していた300mの区間を飛行した。

写真説明:重さ44kgの機材を積んで浮き上がったところ。飛行中に重心が安定するよう、積み荷を本体に格納している(館山市で)

写真説明:館山市の山間部を飛んだドローン

災害時に飲料水や食料を運びたい

古河産業の出口龍太郎さんは2021年度中に実用化し、「災害時の利用で社会の安全、安心につなげたい」と意気込みを語った。金丸謙一市長は「台風15号では倒木被害が多発した。飲料水や食料の輸送に力を発揮してくれそうだ」と期待した。

(読売新聞 2021年4月15日掲載)

この記事をシェア

記事一覧をみる

防災ニッポン+ 公式SNS
OFFICIAL SNS

PAGE
TOP