南海トラフ地震の備えに「モバイル建築」!導入自治体相次ぐ

写真説明:クレーンで設置されるモバイル建築=日本モバイル建築協会提供

平時の通常利用から被災地に建物ごと移転

南海トラフ地震をはじめとする大規模災害時、応急仮設住宅などとして使えるコンテナ型の木造建築「モバイル建築」を導入する動きが、東海地方の自治体で広がっている。平時は各地でまちづくり活動の拠点などに活用し、非常時には建物ごと被災地に移転させる。仮設住宅の迅速な提供につながると期待されている。

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三重県南伊勢町の場合

南海トラフ地震で最大22mの津波が予想されている三重県南伊勢町。海抜90mの高台にある町立南伊勢病院に隣接する場所で2022年1月、モバイル建築を設置するための基礎工事が行われていた。住宅メーカー「一条工務店」(東京)から、企業版ふるさと納税で計14棟の提供を受けるためだ。

南海トラフ地震発生時には、同病院周辺が災害対応拠点となるため、町はこの建物を自衛隊などの活動拠点などとすることを想定している。ただ、平時はシェアオフィスなどの機能を持った、滞在型の宿泊施設として活用する計画で、2022年度にオープンする。

これまで町内には、ホテルやアパートといった、来町者が長期滞在できる拠点がなく、交流人口を増やすことが難しかった。町まちづくり推進課は「災害への備えと同時に、町の課題解決にもつなげられる」と期待する。

モバイル建築とは

モバイル建築は木造住宅の工法を用いて造られ、1棟当たりの全長は12m、奥行き・高さは各2・4mと一般的なコンテナとほぼ同じ規格のため、トレーラーで輸送できる。

木造住宅同等の居住性と耐久性があり、縦横に連結して2階建てにしたり、広い空間を確保したりできるのが大きな特長。トイレ、キッチンなどの水回りや、太陽光パネルも備えられる。一条工務店をはじめとする複数の企業が開発を進めている。

写真説明:モバイル建築の内部。連結すれば広い空間が確保できる(茨城県境町で)=日本モバイル建築協会提供

三重県南伊勢町以外では

南伊勢町だけでなく、三重県と愛知県の自治体も、防災とまちづくりの双方に生かそうとしている。

三重県東員町は、中部公園の芝生広場に5棟を連結し、調理設備を備えた建物にする。カフェとして活用し、災害時には食料配給拠点とする計画だ。同県いなべ市は、日帰り温泉に併設する宿泊施設として活用を検討。観光客を呼び込むとともに、災害時には福祉避難所に切り替えることを想定している。愛知県幸田町なども導入を検討している。

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