食の未来の最前線!「SKS JAPAN 2022」イベントリポート


(画像提供:SKS JAPAN)

「食×テクノロジー&サイエンス」をテーマとするカンファレンス「SKS JAPAN 2022」が2022年9月に開催されました。この記事では、このSKS JAPAN 2022から食のイノベーションをテーマとした2つのセッションをリポートします。

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SKS JAPANとは?

SKS JAPANは、米国発フードテックカンファレンスの日本版として、産業を超えて食の未来を描くことを目指し、2017年に発足しました。
現在のフードシステムは環境問題、食糧危機、栄養格差などさまざまな社会課題をはらみつつも多方面に進化しています。SKS JAPANでは、多様なプログラムや対話を通じて「食に関する社会課題の解決」と「食の多様な価値の開放」を両立させ、さらにこうした活動を”エコシステム”へ進化させることを目指し、情報共有の場だけでなく、「行動・社会実装に繋がる」コンテンツを提供しています。

ここからはその一例として、2つのセッションについて詳しくお伝えします。

食品業界はライバル視しない…「スタートアップが挑戦する新たなフードカンパニーの形とは?」


(画像提供:SKS JAPAN)

まず1つめは、「スタートアップが挑戦する新たなフードカンパニーの形とは?」です。ベースフードのCEO橋本舜氏が登壇し、ベースフードが目指すフードカンパニーの姿とその将来展望、そして日本のフードイノベーションの未来について語りました。

2016年の創業以来、ベースフードは「1日に必要な栄養素の3分の1を取れるパン」などを提供し、2022年2月時点で月間定期購入者数は10万人を超え、大手コンビニでも販売されるなど大ヒットしています。橋本氏は単に「完全栄養食を売る」ことにとどまらず、「主食をアップデートする」ことを目指して活動していると話します。

橋本氏によると、ベースフードが目指すのは、食品会社ではなく「デジタルフードテック」企業として、食を起点とした社会課題を解決すること。完全栄養食をコアとしつつも開発工程のイノベーション・アプリやデバイスを活用したイノベーション・ライフログやデータを活用した改革を起こすことが目標だそうです。そのため、顧客だけではなく社内に対してもイノベーションを意識し、創業以来(映画監督を目指すために退職した社員を除けば)退職者はゼロとのことです。
またベースフードはパンに分類される商品ですが、社員にはパン業界出身者は1人もおらず、なかにはシリコンバレーでゲーム機のプロダクトマネージャーを務めていた経験を持つ人がいるなど、多様なチームで食の新たな未来を創造しています。

セッションのなかで、シグマクシスの常務執行役員でベースフードの社外取締役も務める田中宏隆氏が、橋本氏に対して同じく完全栄養食を販売する日清食品について「ライバルだと感じているか?」と尋ねたところ、橋本氏は「競合だとは感じていない」と話しました。その上で、「『カップラーメンを食べて健康になれたらいいな』というコンセプトで世の中を変えられたことはすごいと思う。『敵が一番自分を正当に理解してくれている』とよく言われるが、本当にその通りで、その意味で日清食品は競合ではない」と続け、「自社も食と健康で世界に貢献できるスタートアップを目指したい」と宣言しました。

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