リスクも知って対策万全に!
災害で自宅が使えなくなった時は、避難所に身を寄せるのが基本だが、様々な理由で車中泊を選ぶ人もいるだろう。その場合、健康被害防止や防犯対策を万全にしておくことが大切だ。
災害時の車中泊について、内閣府は「やむを得ない場合に限り」とする。車上生活が続くと、健康上のリスクが高まることが理由だ。
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トヨタが注意点を公開
トヨタ自動車は、車中泊避難の注意点をまとめた手引や動画をホームページで公開している。熊本地震が起きた2016年以降、災害復旧を支援する社会貢献活動に本格的に取り組む中で、災害関連死を防ぐ啓発に力を入れている。同社共生社会推進室は「車中泊を推奨しているわけではない。必要に迫られた場合に安全に過ごす手助けになれば」と狙いを説明する。
手引では、睡眠時の姿勢をできるだけ水平に保てるよう傾斜地を避けて停車することを勧めている。防犯面から明かりや人通りが多い場所がよい。ドアロックもかけておく。トイレが近い場所が望ましい。
停車中はエンジンを止めるのが原則だが、夏は熱中症、冬は低体温症のリスクがあるため、状況に応じてエンジンをかけて冷暖房を使う。その場合、マフラーの周辺が障害物でふさがれると、車内に排ガスが逆流して一酸化炭素中毒を引き起こす恐れがある。特に冬場はマフラー周辺の積雪に気を配りたい。
■車中泊避難の主な注意点
エコノミークラス症候群に注意
車中泊に伴う健康被害で最も危険なのが、同じ姿勢を長く続けることで血管内に血の塊ができ、大事な血管が詰まる「エコノミークラス症候群」だ。予防には車内に足を伸ばして眠れる空間を作る必要がある。
軽乗用車などコンパクトな車は、前の座席のリクライニングシートを活用する。足元のスペースを荷物で埋めれば、座面と足元が同じ高さになって体を休めやすくなる。
ワゴン車やミニバンは後部シートを前に倒し、トランクと連結させて余裕のある空間を確保する。厚手のマットを敷くと快適だ。
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