災害時の帰宅困難。安心して過ごすため家族で事前に備えよう

将棋倒し事故の危険も

平日の日中に大地震が発生した場合、都市部は多くの帰宅困難者があふれる。一斉に帰宅を始めると、道路や歩道が混雑し、将棋倒し事故などの二次災害に巻き込まれる危険がある。

こちらの記事もおすすめ!→災害時にないと困るもの11選!事前に揃えて災害に備えよう

まず、取るべき行動について架空のシナリオで考える。

シナリオ1 平日の午後に激しい揺れ

太郎(35)と妻の花子(34)は共働きで、長男の一郎(4)と暮らす。太郎は東京都内の会社に隣県から約1時間かけて電車通勤している。平日の午後、雑居ビルに入居する会社で激しい揺れに襲われた。
「避難するぞ」。地震が収まり、上司の声で我に返った。ビルの窓ガラスは所々割れて散乱している。余震に備えて近くの公園まで歩いて避難した。「家族は無事だろうか」。在宅ワークの花子に電話をかけたがつながらない。保育園に通園する一郎も心配だ。

シナリオ2 駅に向かうが進めない

会社のビルは安全が確認できるまで入れないと知らされ、「スマホがあれば何とかなる」と自宅を目指すことにした。スマホで列車の運行状況を調べようとしたが、つながらない。情報を求めて近くのターミナル駅に向かった。
駅が近付くにつれて、歩道を歩く人は次第に増え、ついには前に進めなくなった。車道も車で渋滞している。駅から離れようとしたが、人混みで身動きが取れない。ふと視線を上げると、遠くで煙が上がっているのが見えた。「近くで火事が起きたら逃げられない」と身震いした。

シナリオ3 一時滞在施設を利用

なんとか混雑を抜けたが、所々で道や橋が通行止めになっており、思うように進めない。発生から数時間たち、突然スマホが鳴った。花子だった。「私たちは大丈夫。一郎を保育園まで迎えに行って、今は2人で家にいる」。その言葉に胸をなで下ろした。
周囲は暗くなり始めた。スマホで都のホームページを見られるようになり、近くの一時滞在施設の学校に身を寄せることができた。疲れ切った体を休めながら、「災害時はむやみに行動すべきではなく、家族との連絡手段も確認しておくべきだった」と反省した。

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS