災害時の帰宅困難。安心して過ごすため家族で事前に備えよう

一斉に帰宅すると救助や消火活動の妨げに

2011年の東日本大震災の際、東京都内ではほとんどの鉄道や地下鉄が運転を見合わせ、首都圏で約515万人の帰宅困難者が発生した。隣県から通勤、通学する人が多いためだ。20年の国勢調査によると、夜間と比べた昼間の人口比率は東京で119.2%、大阪で104.4%と都市部で高い。都の試算によると、首都直下地震が起きた場合、約453万人の帰宅困難者が生じる。

国は「原則3日待機」を求める

東京大の広井悠教授(都市防災学)によると、平日の日中に大規模地震が発生し、一斉に帰宅を始めた場合、各地で過密状態が発生するという。丸の内や新宿駅前、渋谷駅前などでは、1平方mあたり6人以上の超過密状態になる危険がある。
過密状態になると将棋倒しや群衆雪崩に巻き込まれる恐れもある。歩道で人があふれて車道に及ぶと車も渋滞し、救急や救助、消火活動の妨げになるため、広井教授は「発災後は混乱が収まるまで帰宅しないのが望ましい」と話す。国や都は混乱が収まるまで、職場や学校、災害時に臨時収容する公共施設や民間ビルなどの「一時滞在施設」で原則3日待機としている。

■地震発生直後に取る行動

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