冬の避難所生活、身を守るために知っておきたい3つのポイントとは

低体温症やエコノミークラス症候群など発症の恐れ

冬に大地震が発生すると、避難所では寒さや体を動かさないことで、低体温症やエコノミークラス症候群などになる恐れがある。能登半島地震では停電、断水、物資の不足などで被災者の健康悪化が懸念されている。
避難所生活の心構えを架空のシナリオで考える。

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シナリオ1 自宅1階部分が崩れる

中部地方の都市部郊外で農業を営む太郎(35)は、父の一夫(70)、妻の花子(28)、生後6か月の長男・一郎と、築50年の2階建て木造住宅で暮らしている。冬の休日の夕方、家族は1階リビングに置いたベビーベッドで、笑顔の一郎をあやしていた。
突然、経験したことがない揺れが襲った。自宅が左右に大きく揺れて、きしむ音がした。
「ここにいたら危ない。外に逃げよう」。太郎はそう叫ぶと、足の悪い一夫をおんぶし、花子も泣きじゃくる一郎を急いで抱きかかえた。みな揺れに耐えながら、玄関からかろうじて外に出ることができた。
地面は波打ち、立っていられない。振り返ると自宅の1階部分が崩れ、ぺしゃんこになった。揺れは、数分続いた。「もうちょっと逃げるのが遅かったら」。ただ、ぼう然とするしかなかった。

シナリオ2 小学校体育館の避難所まで徒歩で1時間

付近のあちこちで道路が隆起し、倒壊した家屋が道をふさいでいた。花子は「避難所に行こう」と呼び掛けた。指定避難所は数km離れた街中にある小学校の体育館だが、車では移動できない。徒歩で約1時間かけてたどりついた。
避難所は人であふれかえっていた。断水や停電が続く中、夜になって急に冷え込み、床はかなり冷たい。防寒着を十分に持ち出せず、一夫が体を震わせていた。「低体温症にならないかしら」と花子が漏らす。避難所では毛布や暖房器具、マットなどが不足していた。

シナリオ3 「おむつやミルクがない」

一郎が泣き続け、ぐずっていた。「おむつやミルクがないわ」と花子は困っていた。持病がある一夫の薬などを持ち出す暇もなく、狭い避難所で感染症対策も気がかりだ。「近くのドラッグストアに行ってみる」と太郎が出掛けると、行列ができていた。おむつ、ミルクなどの用品は品切れ。非常用持ち出し袋を用意すべきだったと反省した。
一方、花子は子連れの家族から「多めにあるから使って」とミルクなどを譲ってもらうことができた。物資の配布が始まり、少しほっとしたが、仮設トイレは屋外にあり、凍える寒さだ。「避難生活はいつまで続くのか」。不安な気持ちが募る。

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