【京大防災研から】被害想定だけでなく事前に復興のイメージを

写真説明:和歌山市が開いた南海トラフ地震の「事前復興計画」づくりのためのワークショップで、震災後に期待する街の姿などについて話し合う学生ら(2023年7月)

「達人の備え」今回のテーマは「事前復興」です

このコーナーでは、京都大防災研究所の研究者が減災のヒントを伝えます。今回は牧紀男教授(防災学)です。

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3.11から12年。ずっと決められない住民がいる

2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故で被災した自治体の職員から、12年以上たった現在でも生活をどう再建すればいいのか、「ずっと決められない住民がいる」と聞いたことがあります。「復興とは何か」を端的に示した言葉だと感じています。

2024年元日に能登半島で大きな地震が起きました。能登半島では、2007年と2023年にも地震がありましたが、今回の建物被害の大きさは桁違いです。家を失ったり、仕事場が被災したりした方々は、これからの生活をどう再建させていくかを決めていく必要があります。

写真説明:能登半島地震で多くの木造家屋が倒壊した住宅街(2024年1月7日、石川県珠洲市で

復興とは決めること

苦しい道のりになりますが、復興とは決めることです。原発事故ではかなりの長期間、地元に帰還できないという困難さがありますが、自然災害の場合でも、まち自体の再建に5年以上の月日がかかり、その大変さは想像に難くありません。

南海トラフ地震に備え話し合いを始めた地域も

その苦しみを少しでも減らすために、被災後の住まいや仕事をどう立て直すのかをあらかじめ考えておく「事前復興」という取り組みが重要です。

南海トラフ地震の津波被害などに備え、まちの再建方法についての話し合いを始めている地域もあります。命を守る避難手段の検討や、避難生活を少しでも良くする備蓄品の準備に加えて、生活再建の流れを事前にイメージしておきましょう。

写真説明:牧紀男教授(防災学)

〔読売新聞 2024年1月29日掲載〕

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