復興構想会議議長だった五百旗頭真氏の震災10年

繰り返す災害に対する備えは十分とは言えません

東日本大震災から私たちは何を学び、何が変わったのか。東日本大震災復興構想会議の議長を務めた五百旗頭真・兵庫県立大学理事長(=写真)に想(おも)いを聞いた。

首相からの打診に保留したのち受諾

2011年4月5日夜、菅(かん)直人首相(当時)から突然電話で、首相の諮問機関となる復興構想会議の議長就任を打診されました。「防衛大学校長を務めながら片手間でできる仕事ではない」と返事を保留しましたが、周囲の後押しもあり、最終的に引き受けることを決めました。

政府が閣議決定した会議の開催趣旨には「単なる復旧ではなく、未来に向けた『創造的復興』を目指していくことが重要である」と明記されました。歴史上、何度も津波に襲われてきた被災地を安全な場所に生まれ変わらせるための全体像を描くことが使命でした。

阪神大震災の教訓から震災復興税導入を着想

4月14日に始まった会議では、復興の財源をどうするかが大きなテーマになりました。議長として示した基本方針に「全国民的な支援と負担が不可欠である」との文言を盛り込み、震災復興税の導入を視野に入れることを提案しました。

写真説明:「東日本大震災復興構想会議」の初会合であいさつする五百旗頭氏(2011年4月14日、首相官邸で)

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