ARで水害を疑似体験できるスマホ防災アプリ3選

目の前の風景にスマホのカメラを向けるだけ

現実世界に情報を加えるAR(拡張現実)技術を使い、激しい雨の降り方や水害などを疑似体験できる「防災アプリ」が登場している。目の前の風景にスマートフォンのカメラを向ければ、世界が変わる。記者も早速試してみた。

雨・雪・水害を疑似体験

気象情報会社「ウェザーニューズ」(千葉市)が2021年1月に配信を始めたアプリ「ARお天気シミュレーター」は、雨や雪、水害などを疑似体験できる。雨なら1時間雨量で「0.5mm」から「100mm」まで、雪なら1時間降雪量で「0.5cm」から「10cm」まで、それぞれ細かく設定できる。

ある晴れた日。記者も東京駅周辺でアプリを試すと、見慣れた風景が土砂降りに変わった。気象庁は1時間雨量で「80mm以上」を「猛烈な雨」と表現している。気象現象を疑似体験できたことで、災害への意識が高まるように感じた。

 

写真説明=晴れた日でも画面上では土砂降りの雨になっている(2021年3月11日、東京駅前で)

「まずは雨や雪の強さを変えて、楽しみながら天気に関心を持ってほしい」と同社の上山亮佑さん。アプリはまた、予報に基づく3時間先の天気も風景に重ねて映し出せる。

◆ARお天気シミュレーター(画像はウェザーニューズ社提供)

アプリ名:ARお天気シミュレーター
提供元:Weathernews Inc.

App Store URL:
https://apps.apple.com/jp/app/id1541791009

Google Play URL
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.weathernews.weather_ar
※上記Android版は2022年8月サービス終了。詳細は下記のアプリお知らせを参照ください。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.weathernews.weather_ar&hl=ja&gl=US

浸水モードにすれば、水害に見舞われた街の姿も目の前に現れる。浸水状況は、10cm単位で深さを変えられる。全地球測位システム(GPS)機能で「現在地の情報」を加えると、想定できる最大規模の降雨で河川が氾濫した場合の現在地の浸水の深さが表示される。国土交通省のデータに基づいており、自宅や職場などで試せば避難計画の検討に役立ちそうだ。

雨の降り方、雨量を分析できる

あの雲はどれくらい雨を降らすのだろうか――。こんな場面で役立つのが、気象関連事業などを手がける「島津ビジネスシステムズ」(京都市)のアプリ「アメミル」だ。

周囲10km圏で雨雲にカメラを向けると、気象庁の予報などに基づき、今後の雨の降り方などがARで可視化される。人工知能(AI)の機能も併せ持ち、機械学習させた2万以上の降雨パターンから雨の降り方を分析。「激しい雨が降る恐れがあります」などと平易な文章でも注意を促してくれる。

◆アメミル(画像は島津ビジネスシステムズ社提供)

アプリ名:アメミル
提供元:島津ビジネスシステムズ

App Store URL:
https://apps.apple.com/jp/app/id640441905

Google Play URL:
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.amemil.android.amemilapp

同社の有本淳吾さんは「ARなら感覚的に雨雲を捉えられる。ゲリラ豪雨(局地的大雨)などの対策にも役立つ」と強調する。

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