熊本地震を経験したプロが伝授「家庭でできる備え」

アウトドアの知恵 活用のススメ

災害で電気やガスが止まった時、アウトドアの知恵が役に立つ。キャンプ体験を通じて防災を教えている「アグリフィールズ」(福岡県福津市)の代表、古川隆邦さんに、身近なものを活用する方法を教わった。

ツナ缶でランプ ご飯も炊ける

古川さんが「使い道が多いですよ」と取り出したのは、油漬けタイプのツナ缶だ。非常食になり、油にこよりを浸せばランプになる=写真=。

ツナ缶ランプに小さな五徳をセットすれば調理も可能。上面をくりぬいた空き缶に米と水を入れ、アルミ箔(はく)で蓋をすればご飯が炊ける。

写真説明:「ツナ缶ランプでご飯も炊けます」と話す古川さん

ペットボトルで明かり 新聞紙で食器

懐中電灯は狭い範囲を照らすのには役立つが、部屋全体を明るくするのには不向きだ。そこで、懐中電灯を上向きにし、水の入ったペットボトルを載せると、光が拡散して周囲を明るく照らす=写真=。ペットボトルを置く代わりにレジ袋をかぶせてもいいそうだ。

古新聞も、折って食器にしたり=写真=、トイレの吸収剤にしたりして活用できる。

「手元にあるものを、臨機応変に役立てて」

「被災時に大切なのは、体を冷やさないこと」と古川さん。くしゃくしゃにした新聞紙をポリ袋に入れ、そこに足を入れると防寒になる。

古川さんは「災害はいつ起こるか分からない。手元にあるものを、臨機応変に役立ててほしい」と話す。

新聞紙を使った食器の作り方

見開き1枚を二つ折りにしたものを用意。下半分を折る

さらに半分に折る

下側の両端を三角に折る

赤色部分を2,3回外側に折る

完成。ポリ袋をかぶせて使うといい

(読売新聞 2021年4月11日掲載 社会部地域・生活課・堀美緒、饒波あゆみ)

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