飛沫拡散予測で活躍中の「富岳」を豪雨予測にも!

従来の予測手法との比較

従来の気象庁の手法は、5km四方に区切って21パターンを計算して予測する。3日午後9時の気象データで9時間後を予測すると、人吉市などに大雨が降る確率は最大でも30%以下となった。富岳の高い計算能力は、予測の精度を一気に向上させるようだ。

◆気象庁の従来手法による九州豪雨の確率予測

気象庁の従来手法による九州豪雨の確率予測

(画像は川畑室長提供)

首都圏の豪雨予測に使えたら

理研の三好建正チームリーダーらは、埼玉県にある気象レーダーの観測データから、首都圏で局地豪雨を予測する研究に取り組む。2020年夏の実験では、筑波大と東京大が運用するスパコンで50パターンを計算し、30分後までの豪雨の予測を30秒ごとに更新した。富岳なら1000パターンを瞬時に計算し、より高精度で詳細な予測をはじき出せる。早めの避難による被害の軽減が期待されている。

◆首都圏の局地豪雨予測

首都圏の局地豪雨予測

説明:スマホアプリ「3D雨雲ウォッチ」で雨雲を3次元で表示(2020年8月、エムティーアイ提供)

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