災害時はペットと避難!グッズと訓練で備えたい

写真説明:岐阜県羽島市内で行われたペット同行避難訓練(羽島市提供)

 岐阜・羽島市の取り組み

住民の避難が必要な大規模災害ではペットの処遇が課題となっている。国はペットと一緒に避難する「同行避難(※)」を推奨しているが、避難を受け入れた後の体制が整っていない自治体はまだ多い。住民を交えた同行避難訓練に取り組んでいる岐阜県羽島市の竹鼻南地区の活動からペットとの避難について考える。

飼い主がペットを「守る」のが原則

同地区では2017年から防災訓練にペットの同行避難訓練も取り入れている。訓練を主導してきた「竹鼻南コミュニティセンター」の高木和秋館長によると、同地区で2016年に調査したところ、アンケートに回答した住民の約3割に当たる403世帯がペットを飼い、うち53%が「避難所にペットを連れて行くと思う」と回答したためだ。

高木館長らは、避難所となる中学校と協議し、部活動部屋とテニスコートをペットスペースと定め、飼い主と犬が参加する訓練を行って、災害時の行動を確認することにした。

ペットと一緒に参加する避難訓練の内容

訓練は、犬を飼っている住民約10人が、それぞれ自宅からリードでつないだ犬を連れて中学校へ集まり、仮設テントで専門家から注意点などの説明を受ける。ペットを入れるケージを部活動部屋に積み上げたり、餌を入れたリュックサックを背負って悪路を歩く体験もしたりする。

ただ、訓練に参加したペットホテル経営の渡辺英毅さんは、「地震と風水害では避難場所も異なる。避難した後の具体的な対応がほとんど決まっていない」と指摘する。

東日本大震災で課題認識

災害時にペットをどうするかという問題は、東日本大震災でクローズアップされた。飼い主とはぐれて野犬化したり、ペットと暮らすことを優先させて車中泊を余儀なくされたりした。

環境省は同行避難(※)を打ち出したが、2016年の熊本地震では、ペットの鳴き声や臭いが避難所のトラブルになったりと、依然として問題は解決されていない。

※同行避難
東日本大震災では、放置ペットの野犬化や繁殖などが問題化したため、環境省はペットと一緒の避難を推奨。避難所ではトラブル回避のため、屋外や同居できる部屋を用意するなど、住み分けを提案している。はぐれることも想定し、自治体の救護体制整備も重要としている。

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