災害時はペットと避難!グッズと訓練で備えたい

避難所の運用マニュアルをHPで公開

羽島市は2018年、災害時の飼い主の役割や避難所の運用マニュアルを作り、ホームページで公開している。(https://www.city.hashima.lg.jp/0000010060.html) そこには保健所や獣医師会など関係部署の連絡先も示されているが、住民とペットの居場所の区分け方法などは未定だ。高橋宏成・市生活環境課長は「訓練を通じて、地域の理解を深めてもらう段階」と話す。

岐阜県では地域防災計画にペットの救援を位置づけ、自治体にマニュアル策定を呼びかけているが、2020年度の調査では、策定したのは42市町村のうち16市町にとどまる。「避難所の具体的な対応までは把握できていない」(県生活衛生課)状況という。

飼い主が備えておくこと

こうした中、渡辺さんは「飼い主は『避難所へ行けば何とかしてくれる』と依存せず、ペットを守るのは自分だと意識して、準備をしておくことが大切」と強調する。具体的には、テント泊や車中泊、知人、親類宅など避難先の選択肢を増やすなどし、環境の変化に慣れてもらうよう、日頃から「しつけ」ておくことや、ケージなどの備品を用意しておいてほしいと訴えている。

写真説明:ペットと同行する避難訓練は他の自治体でも開催されている(三重県松坂市で、2020年7月撮影)

◆飼い主の災害時の備え(羽島市のマニュアルより抜粋)
〈1〉避難所の確認
〈2〉飼い主の明確化
・ 鑑札・注射済票の装着
・ 名札の装着(飼い主名などを記載)
・ マイクロチップの装着など
〈3〉動物用防災用品の備蓄
・ ペットフード、水(最低5日分)
・ リード、飼育ケージ、食器
・ タオル、ペットシーツ、ビニール袋、新聞紙
・ 救急用品(包帯、消毒薬、常備薬など)
・ ペットの特徴がわかる写真
〈4〉普段からの取り組み
・ 決められた場所での排泄(はいせつ)
・ 飼育ケージ収容の習慣化
・ 避妊、去勢手術
・ 知人宅など一時的に預かれる場所の確保
〈5〉避難訓練への協力

(読売新聞 2021年5月27日掲載 岐阜支局・宮崎亨)

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