被害を最小限にできる? 浸水に強い「耐水害住宅」の実力


写真説明:台風19号で千曲川が氾濫、濁流が流れ込んだ住宅地(2019年10月13日、長野市で)

立地以外の住宅対策

豪雨災害が激甚化する中、リスクの高い地域では開発規制が強化されつつある。だが、まだ緒に就いたばかりで、河川氾濫で被災する恐れがある地域に国民の3割近くが暮らしている現実もある。「立地が全て」とも言われる水害にどう対処すればよいのか。対策の最前線でヒントを探った。

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水害による家屋の被害が増えている

全半壊と床上・床下浸水計約9万9000棟、被害額約2兆1800億円――。国土交通省が洪水や土砂災害の経済被害統計を始めた1961年以降、最悪となった2019年の数字だ。東日本を中心に堤防決壊が多発した台風19号による損失が被害額の86%を占めた。

◆豪雨災害の激甚化で被害が増えている(国土交通省・水害統計調査に基づく)

※四角で囲んでいるのは主な災害、[ ]内は代表的な被災地。2011年は東日本大震災の津波被害を除く

経済被害は近年、増加傾向にある。西日本豪雨が発生した2018年は被害額が約1兆4050億円となり、2020年(集計中)も九州豪雨などで多額に上るとみられる。さらに2021年も、静岡県熱海市で大規模な土石流が発生したほか、各地で浸水被害が相次いでいる。

住宅が一度浸水すると、掃除や修理、仮住まいなどに大きな出費が必要となる。被害が集中した地域では職人や資材不足が起き、迅速な復旧が期待できないという問題も生じる。

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