被害を最小限にできる? 浸水に強い「耐水害住宅」の実力

耐水対策以外で気を付けること

西日本豪雨で浸水被害に遭った岡山県倉敷市真備町では、51人が自宅などで亡くなった(災害関連死を除く)。東京理科大の二瓶(にへい)泰雄教授(河川工学)が被災家屋を分析したところ、2階の大部分が水没(深さ4m以上)した家屋が約半数に上ることが判明した。

水位の上昇速度は大半で毎時1m以上となり、場所によっては同2~2・5mに達したケースも。2015年の関東・東北豪雨による鬼怒川氾濫時の最速値(同0・5m)を大きく上回った。

岡山県によると、犠牲者の9割(45人)は65歳以上の高齢者だった。2階建て住宅の1階で亡くなった人もおり、上階に逃げる「垂直避難」が急速な浸水で困難になった可能性がある。

二瓶教授は「たとえ自宅という慣れた空間であっても、一気に浸水すると逃げるのが難しくなる」と、氾濫への警戒と一刻も早い避難を呼びかけている。

(読売新聞 2021年7月11日掲載 科学部・松田晋一郎、中村直人)

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