外出先や観光地で地震!慌てずに行動するためこれだけは知っておこう(前編)

写真説明:東京・渋谷のスクランブル交差点を行き交う人々。外出先で地震に遭ったら、まず何をするべきだろうか

不慣れな場所で右往左往しないために

外出先でも災害は襲ってくる。身の安全を確保できても、公共交通機関などが止まれば、帰宅が難しくなり、不慣れな土地で立ち往生する恐れがある。災害時の観光客などの誘導計画を策定した自治体もあるが、個人の備えも必要だ。コロナ禍の行動制限が緩和されれば、その重要性は高まる。架空のシナリオで考えておきたい。

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シナリオ1 彼岸の墓参り 震度6強…墓石倒壊

祖父母や若くして亡くなった父が眠る墓に、手を合わせた時だった。太郎(40)は、あげたばかりの線香が少し揺れたように感じた。秋のお彼岸に、妻の花子(39)、長女(3)と霊園へお墓参りに来ていた。

揺れは急に大きくなり、目の前の墓石が崩れそうになる。「危ない」。とっさに長女を抱きかかえて離れ、花子とともにうずくまる。周囲の墓石がぐらぐら揺れ、倒れるのが見えるが、逃げようにも揺れが大きく、身動きが取れない。頭をバッグでかばってやり過ごすしかなかった。

揺れが収まり、スマートフォンで状況を把握しようとする。だが、電波状況が悪いのか、ネットにつながらない。倒れた墓石を避けて駐車場まで戻り、エンジンをかけると、ラジオが「震度6強」を告げていた。

同じ県内の自宅まで車で1時間ほど。駐車場から出るが、すぐの場所で地割れが起きて道路に段差が出来ており、車では進めない。「帰れなくなった」。花子がうめいた。

霊園に戻り、管理事務所まで3人で歩いて行く。墓参りに訪れていた他の人も来ていた。「こんな場所で地震に遭うなんて」。太郎は現実を受け止められなかった。

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