外出先や観光地で地震!慌てずに行動するためにこれだけは知っておこう(後編)

写真説明:京都の観光名所、清水寺。京都市は、帰宅困難となった観光客の誘導計画を策定している

京都市の観光客向け防災計画

外出先でも災害は襲ってくる。身の安全を確保できても、公共交通機関などが止まれば、帰宅が難しくなり、不慣れな土地で立ち往生する恐れがある。山梨県富士河口湖町に続き、観光客向けの防災計画を作った京都市の取り組みを紹介する。

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清水・祇園地域と嵯峨・嵐山地域が対象

京都市は、観光客が特に多い清水・祇園地域と嵯峨・嵐山地域を対象に、帰宅困難観光客避難誘導計画を策定している。

計画では、大地震などの発生後、地域内の観光客らに携帯電話会社の緊急速報メールを使って、安全を確保した上でその場にとどまるよう促す。その後、公園や駐車場など指定した「緊急避難広場」に一時的に避難してもらう。帰宅できない観光客向けには「一時滞在施設」としてホテルや旅館などを指定。ロビーや宴会場を提供してもらう計画だ。

1 緊急連絡メール「身の安全を確保し、その場にとどまって」
2 チラシなどを使って緊急避難広場を案内
3 緊急避難広場 掲示板などで一時滞在施設を案内
4 一時滞在施設 食料の提供、名簿の作成など
5 帰宅経路などの情報提供

緊急避難広場の場所は看板などで案内。災害時は市が運営する「帰宅支援サイト」でも周知する。スマートフォンで閲覧しやすいよう、商店主らがサイトのQRコードが載ったチラシを配るほか、市や事業者が運営する無料Wi―Fi(ワイファイ)のスポットからネット接続すると、サイトにつながるようにする。一時滞在施設の場所は災害時、緊急避難広場に掲示板などを設置し、周知する。

被災に備えて自分ができること

ただ、こうした例はまだ少なく、個人の心構えが大事だ。防災アドバイザーの山村武彦さんは、不慣れな土地では動き回らず、地元の人や防災アプリなどから情報を得て、慎重に行動するよう助言する。「スマホが一時的でもつながらず、留守宅と連絡が取れなくなると、家族の安否が不安で大きなストレスになる。普段から家族で話し合い、災害用伝言ダイヤルや携帯電話会社の災害用伝言板など複数の連絡手段を確認しておくべきだ」と話す。

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