ドイツの豪雨「400年に1度」レベル!温暖化で発生確率最大9倍と解析

写真説明:大雨に伴う河川氾濫で甚大な被害を受けたドイツ西部の住宅(2021年7月15日)=AP

「世界各国が極端な気象現象に備えるべき」

2021年7月にドイツやベルギーで200人以上が犠牲となった大規模な洪水は、「400年に1度」の大雨が原因で、それが地球温暖化の影響で最大9倍発生しやすくなっていたとの解析結果を、欧米の研究者らで作る国際研究チームが発表した。チームは「世界各国が極端な気象現象に備えるべきだ」と警鐘を鳴らしている。

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欧州中部で発生した洪水について

洪水は2021年7月中旬、欧州中部の広域で発生。チームによる気象データの解析で、400年に1度の大雨だったと判明した。産業革命前と、世界の平均気温が1・2℃上昇した現在の気象をコンピューターで分析・比較した結果、欧州中部では夏の1日あたりの最大降水量が3~19%増え、今回のような大雨の発生確率は1・2~9倍になっていた。

写真説明:浸水被害後、屋外に積み上げられた損壊家屋や家財の数々(ドイツ西部ハーゲンで。2021年7月17日撮影)

地球温暖化の影響は欧州にとどまらない

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は2021年8月に公表した報告書で、熱波や大雨などの異常気象は既に顕著になっており、温暖化が進めばさらに激甚化すると予測している。

国立環境研究所気候変動適応センターの肱岡(ひじおか)靖明・副センター長は「大雨の増加は避けられない。治水に加え、早めの避難やリスクの高い場所に住まないなど、世界中で対策を講じる必要がある」と話した。

(読売新聞 2021年9月9日掲載)

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