佐賀気象台地域防災官「大雨は九州に限らない。気象情報で命を守って」

気象情報をどのように活用したら

――気象情報をどのように活用すべきか。

写真説明:JR佐賀駅北口周辺(2019年8月28日撮影)

自治体が出す避難指示などは、気象庁の気象情報などにより判断される。雨は急に降るわけではなく、我々は数日前から情報を発信している。ホームページなどでタイムリーに情報を入手すれば、自助による早めの安全確保が可能になる。自分、家族、地域と、近い所から守る気持ちを持ってほしい。

――今後の課題は。

気象庁の情報を基に、住民に適切な避難行動を取ってもらうのが目標だが、そのために分かりやすく伝える必要がある。情報をしっかり受け取ってもらえるよう、日頃から関係機関や住民と信頼関係を築いておくことも重要だ。今夏の大雨は、あれだけ降ったにもかかわらず人的被害が最小限に抑えられており、情報をうまく活用してもらえたと感じる。

中野辰美氏<プロフィル>なかの・たつみ 鹿児島市出身。鹿児島地方気象台を振り出しに、天気予報の基になるデータを集める高層気象台(茨城県つくば市)などに勤務し、2019年4月から現職。単身赴任中で、最近はソロキャンプを楽しんでいる。豊かな自然の中で、雲の形や流れを見るのは「職業病」と笑う。

(読売新聞 2021年10月4日掲載 佐賀支局・山田伸彦)

<関連する記事はこちら>
線状降水帯で豪雨!岡山地方気象台の防災管理官に注意点を聞く

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS