堤防決壊!関東地方に大洪水をもたらしたカスリーン台風の浸水動画公開

(国土地理院のホームページから)

1947年9月の浸水被害を国土地理院が見える化

1947年9月に関東地方に甚大な被害をもたらし、埼玉県内でも利根川流域を中心に多数の死者を出した「カスリーン台風」について、国土地理院が、利根川の堤防決壊により埼玉県東部の地域が浸水していく経過を動画で「見える化」し、ホームページ(HP)で公開している。カスリーン台風の発生から2021年9月で74年となるが、同院は「今後も同様の水害が同じような地域で発生する可能性はある。動画を通じて水害に関心を抱き、知識を身につけて、日頃の備えにしてもらいたい」としている。

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カスリーン台風とは

カスリーン台風は1947年9月に関東地方の河川を氾濫させ、1900人を超える死者・行方不明者を出した。県内では86人が死亡し、1394人が負傷したほか、家屋の浸水は約7万9000戸に及んだ。

同院によると、県内では1947年9月16日午前0時20分頃、カスリーン台風による大雨で東(ひがし)村(現・加須市)の利根川堤防が約340mにわたり決壊。その洪水による濁流が、県東部の中川沿いに広がる「中川低地」に流れ込んで、浸水被害が拡大した。

写真説明:カスリーン台風で冠水した埼玉県幸手町(現・幸手市)の鉄路(1947年9月17日)

同院は、2018年の西日本豪雨など近年相次ぐ豪雨災害を受けて、今回の動画を作成。旧建設省や内閣府の資料を参考にした。カスリーン台風が被害をもたらした9月に合わせて公開した。

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