大火砕流から30年 雲仙岳災害記念館に元観測所長の執務室再現

当時の執務室が再現された

再現された執務室は約40㎡。災害時は鉄筋平屋の研究棟の一角にあった。実際に使っていた溶岩ドームのスケッチや島原半島の地質データといった観測資料などを広げた愛用の机のほか、いすや本棚なども移設された。

写真説明:雲仙岳災害記念館に再現された太田一也さんの執務室

執務室から重要な要請が行われたこともあった。大火砕流発生後の1991年6月17日、噴火活動でできた溶岩ドームの噴煙が激しさを増していた。危険を感じた太田さんは執務室から、当時の鐘ヶ江管一・島原市長に電話をかけ、立ち入り制限を伴う警戒区域の拡大を要請した。鐘ヶ江さんは警戒区域を広げ、対象となった老人ホームから多くの人が避難するなどした。

噴火当時の写真アルバムや書籍類も

記念館内の資料室では噴火当時の写真アルバムや噴火関連の書籍類など約150点も自由に閲覧できる。太田さんから寄贈された資料は約3000点に上っており、その他の資料も申請すれば閲覧できるという。

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