1・17の記憶 激震で阪神高速の路面が波打って目の前から消えた

写真説明:阪神大震災で高架橋が落下した阪神高速神戸線(1995年1月17日、兵庫県西宮市で)

安井義政さんは夜行バスの運転席の隣で神戸に向かっていた

あの日、高速道路で、生と死は紙一重だと痛感した。

1995年1月17日早朝、帝産観光バス京都支店の安井義政さんは長野県の野沢温泉スキー場から神戸に向かう夜行バスの交代運転手として、ハンドルを握る先輩の隣に座っていた。

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西宮市に入ったあたりで突然…

京都や大阪で乗客を降ろし、車内に20歳代の女性客3人を乗せて阪神高速神戸線を走行中、西宮市に入ったあたりで突然、フラッシュをたいたような白くまぶしい光が見えた。その直後、高架橋の路面が波打つほどの激震が襲ってきた。

「ブレーキがきかへん!」

「ブレーキがきかへん!」。先輩がそう叫ぶ中、ダッシュボードにつかまり、必死に揺れに耐えた。運転席の窓からは、空と路面が交互に見えた。揺れが収まると、目の前にあるはずの道路は消え、付近からは火柱が立っていた。

バスは前輪が宙に浮いた状態で、奇跡的に落下を免れていた。車体の底にあるエンジン部が途切れた道路の端に引っ掛かったことが幸いした。

写真説明:阪神高速神戸線の高架橋が落下。走行中だったスキー場帰りのバス(上)は転落を間一髪で免れた(1995年1月17日、兵庫県西宮市で)

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