1・17の記憶 激震で阪神高速の路面が波打って目の前から消えた

バスから脱出し、地上に下りて真っ先にしたこと

傾いた車内後方の扉から乗客とともに脱出し、非常階段で地上に下りた後、「二度とない体験を収めたい」と使い捨てのカメラをコンビニで購入。高さ約10mの高架橋を見上げ、前輪がはみ出したまま止まったバスを撮影した。

写真説明:安井さんが撮影した転落寸前のバス(安井さん提供)

現場に集まった人から、火柱の正体を聞かされた。対向車線を走行中のトラックが高架橋の割れ目から落下し、炎上したという。自分も同じように地上にたたきつけられていたかもしれない――。「偶然」が生死を分かつ災害の恐ろしさを、身をもって知った。

直下型地震を象徴すると注目された

阪神大震災では、家屋だけでなく、高速道路の倒壊も直下型地震を象徴する被害として注目された。

阪神高速は、神戸線と湾岸線の計5か所で橋桁が落下。神戸市東灘区では高架橋が635mにわたって横倒しになった。そんな中で踏みとどまったバスの写真は、衝撃とともに国内外に広がり、米有力紙「ワシントン・ポスト」にも取り上げられた。

写真説明:635mにわたって横倒しになった阪神高速神戸線の解体作業(1995年1月19日、神戸市東灘区で)

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