猛烈な低気圧がもたらす冬の嵐!台風並みの警戒春先まで必要に

どんな気象状況だったか

当時、日本列島の北側にあった低気圧の中心気圧は974hPa(ヘクト・パスカル)だった。低気圧は台風と同じように、中心気圧が低いほど周囲の空気を引き込む力が強まる。2021年に日本に上陸した3個の台風(上陸時の中心気圧990 hPa前後)と比べても、勢力が大きかったことがうかがえる。

夏~秋の台風が暴風や大雨を伴うように、冬場に発生した猛烈な低気圧が暴風や大雪をもたらした。

低気圧が発達する仕組み

低気圧にはいくつか種類がある。台風の卵として知られる「熱帯低気圧」は、暖かい海上の水蒸気が雲(水や氷の粒)になるときに出す熱を原動力として発達する。台風は、中心付近の最大風速が毎秒17m以上になったものだ。

一方、日本付近で発達するのは「温帯低気圧」だ。南の暖気と北の寒気がぶつかる境目で発生し、南北の温度差によって発達する。

◆台風と温帯低気圧の違い(イメージ)

説明:台風は、大量の水蒸気を含む暖かい空気によって発生・発達する。反時計回りに風が吹き込む

説明:温帯低気圧は、暖かい空気と冷たい空気がぶつかって発生。前線を伴い、渦を巻くように発達する

こうした仕組みの温帯低気圧は年中発生しているが、猛烈な低気圧は冬から春先にかけて発生することが多い。北から厳しい寒気が流れ込み、南の暖気との温度差が大きくなるからだ。

その発達には、大気の上層と下層にできる「2つの渦」が大きく関係している。

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS