漂着軽石は消滅まで「数年」の見通し!海底火山噴火後の影響

2021年8月の噴火の規模

産業技術総合研究所によると、噴火は2021年8月13日から2日間ほどで収まったが、爆発的に大量の噴出物をまき散らす「プリニー式」と呼ばれる珍しいタイプだったと分析。噴煙は地上から約16~19kmの成層圏に到達しており、軽石や火山灰などの噴出量は少なくとも約1億㎥、最大約5億㎥と推定している。44人が犠牲になった雲仙・普賢岳噴火(約5年間で計約3億㎥)、63人が犠牲になった御嶽山噴火(1日で約120万㎥)と比べても噴火の勢いは激しかったとみられ、陸海含め国内で戦後最大規模の噴火だったとしている。

爆発的噴火の原因は

一方、海洋研究開発機構の田村芳彦・上席研究員(火山学・岩石学)が軽石の成分を調べたところ、地下30~60kmでできる「玄武岩」がわずかに含まれていた。約1200℃と高温の玄武岩マグマが上昇して地殻を加熱し続けたことでマグマだまりが作られ、マグマと火山ガス(水蒸気など)が数十年間蓄積されたことが爆発的噴火の原因の可能性があるという。

◆福徳岡ノ場で噴火が起き、軽石ができた仕組み

(田村芳彦・上席研究員の説明に基づき作成)

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