災害級の降雨域はこうして北へ広がっていく
その結果、2020年代後半には岩手県でも現在の西日本並みの雨(月約300mm以上)が降るようになり、2095年以降はこうした降雨域が北海道函館市付近まで広がることがわかった。日本近海の平均海面水温が上昇し、大量の水蒸気が南の海上から日本列島に広く流れ込むようになるためという。
◆温暖化で予想される日本近海の水蒸気量の変化 ※画像は中北教授提供
説明:青から黄、赤になるほど水蒸気量が多い。2094年の予測では東北沖や日本海でも水蒸気量が増加。図中の矢印は水蒸気の流れる向き
大雨が多い九州の見通し
また、すでに大雨が多い九州では、その頻度が1・5倍前後に増える見通しで、中北教授は「温暖化への備えをさらに進めておく必要がある」と話す。
気象庁気象研究所の川瀬宏明主任研究官(気象学)の話「温暖化による梅雨期の降雨域の変化を21世紀末まで連続的に示したことは意義深い。今後は想定パターンを増やすことが課題だ」
(読売新聞 2021年11月14日掲載)
<関連する記事はこちら>
ドイツの豪雨「400年に1度」レベル!温暖化で発生確率最大9倍と解析
無断転載禁止